「なぜあの人は入社3ヶ月で転職を考えたのか?」…ー今回は、大卒1社経験のとある男性の転職経験談をお話しします。条件も良く社風も良い、やりたいことにも挑戦できる…はずだったのですが、彼はなぜ転職後わずか3ヶ月で、また別の企業への転職を考え始めたのでしょうか。

29歳男性の挑戦 

都内のとある企業に、自分のキャリアを広げたいと、転職を決意した男性がいました。彼の名を仮に、山本さんとします。29歳で、経歴は大卒1社経験(大手サービス会社勤務)。年収は800万円でした。彼は転職活動の末、2社から同時に内定をもらいます。

・a社 業務改善責任者 提示年収730万円 役員直下ポジション

・b社 プロダクトマネージャー 年収760万円 役員直下ポジション

どちらもベンチャー企業で、経営理念に共感できる企業でした。

山本さんはこれからも挑戦をしていきたいという前向きな性格。どちらでもやりたいプロジェクトが実現できそうで、迷いに迷いました。年収よりサービス内容・理念を重視し悩んだ結果、選んだのはa社。決め手は役員の『話しやすい人柄』。山本さんは今回、役員直下というポジションになるにあたり、a社の役員であれば自分の意見をより明確に伝え、円滑なコミュニケーションをはかることができそうだと感じていました。企業側も山本さんの入社を大歓迎。こうして山本さんの新生活がスタートしたのです。

面接での確認漏れで、まさかの再度転職

しかし、入社直後は順調だった山本さんに、衝撃の事実が知らされます。入社2ヶ月目にして、上司との会話から自分のやりたいことはなんと5〜10年先のプロジェクトであることを知らされたのです。山本さんは結婚も予定しています。30代からのキャリアプランを明確にしており、10年後には地元に帰ることも、このまま仕事を続けることもありえるだろうと考えていました。

山本さんの今回の転職軸はキャリアを活かして次のステップに進むこと。挑戦したかったことをa社ですぐに着手し、経験を積みたいと思って入社したのです。しかし、a社のスピードでは遅すぎます。やりたいことが実現できるにしても、それが10年も先の話だとは思っていませんでした。山本さんは、ここで「面接では時間軸のことまで話していなかった」ということに気付きます。やりたいこと、実現したいことを伝えていたが、それをいつまでにやりたいと明確にしていなかったのです。企業側は決して嘘ををついているわけでも、事業プランに嘘偽りがあるわけでもありません。山本さんの痛恨の確認ミスでした。そして彼は転職後わずか3ヶ月で、また転職活動をすることになったのです。

20代と30代の大きな違いは時間軸

20代と30代の大きな違いは『時間軸』にあります。その人それぞれで、キャリアプラン・年収・実現したいこと、年齢によって仕事の仕方は変化します。若いうちは「まずは経験」と比較的どの人も同じようなキャリア形成だったものが、そのうち結婚・出産などライフスタイルの大きな変化や、社会経験の蓄積から人それぞれ道が細かく分岐していきます。そのちょうど境目が、20代と30代と言われています。

30代で考える『5年後』は、20代の5年後と大きく違います。例えば、どんどん仕事をこなし何らかの役職を目指したいと思う人もいれば、家庭を大切に働き方をセーブしたいと考える人も出てきます。

自分が今できる範囲で頑張りたいと考える人もいるし、新たなことにチャレンジ・勉強したい、スキルをより伸ばしたいと考える人もいる…。そしてそれが自分が思い描く時間軸で実現できるのか、この辺りが大きなポイントになってきます。山本さんはこの『時間軸』を明確にしていなかったために、結果的に転職に失敗してしまったのです。

「やりたいこと」だけではなく「いつ実現できるか」の確認を

転職を考えるとき、「挑戦したいこと」にフォーカスしがちですが、同時に「それはいつ実現できるのか」を考えることが大切です。山本さんのように「実現できるが、それは10年後」という話であれば、どんなに志望度が高い企業でも、選択肢から外れるでしょう。

転職は一つの大きな選択です。志望企業でできることが、自分が思い描くキャリアプランや予定しているライフイベントにきちんと沿ったものであるかという部分にまで意識を巡らせて、企業選定をしましょう。

まとめ

このように、20代前半ではあまり考えていなかった『時間軸』への意識が、30代では重要になってきます。5年後、10年後、どうしていきたいかの考えを自分の中でより明確にしながら、転職活動を進めていくのが望ましいと言えます。

・20代と30代の転職で大きく違うのは『時間軸』
・挑戦の実現だけではなく「いつ実現できるのか」を明確に
・自分のライフイベント・キャリアプランを明確に持っておこう