安定が一番と信じていた大学時代。公務員からの転身で見えたもの。

ウーマンキャリア

私たちのキャリアレポート from MAPウーマンキャリア

26歳で地方公務員から民間企業へ転職、上京しました。安定が一番だと信じていた考えが変わった理由、リーダーとしてチームを牽引する難しさ。そして30代を目前に考える、今後のキャリアプランについてお話を伺いました。

M.Eさん (29)
1社目:地方公務員(医療系)
2社目:医療総合サービス
現在:人材コンサル(医療領域担当)

公務員から、民間企業への転職は自信をつけるための第一歩

大学を卒業してから3年間は、地方公務員として病院で働いていました。業務改善の提案をしても現状維持を求められる。そんなどこか保守的な仕事のやり方が、私には合いませんでした。国の機関が全てそうだとは思いませんが、私のいた環境はわかりやすい縦割り組織だったんです。

転職を考えていると言うと、まわりに「公務員の安定を捨てるのか」と反対されました。でも、転職して民間企業で働くことが果たしてどれくらい身の程知らずの行為なのか、試してみたかった。営業で数字をつくりたい。やるんだったら全力で、自分にもできるという自信を持ちたいし、いろんな経験をしたい。私自身は民間企業への転職に対して、とても前向きでした。

 

幸せそうじゃなかった、当時の女性リーダー

私が初めて接した女性リーダーは、 公務員時代の女性課長。組織体制の都合で、上から命じられて40代で突然管理職になった人でした。本人も戸惑いがあったのでしょう、よく不満を漏らしていて、私もいい上司だとは思えず、反面教師にしていました。

この女性課長に限らず、当時の環境は女性が多い組織の悪い例が固まっていた印象があります。別部署間の女性同士で常にぶつかってましたし、その上男性も横柄な人が多かったので、男女ともに悪い面ばかりが出ていたように思います。

あの女性課長のようなリーダーにはなりたくない。なぜなら、本人が幸せそうじゃなかったから。いつも愚痴ばかり言っていたのは「女性だから」と言われるのが苦痛だったんだと思います。本心はああいう形の昇進ではなく、経験も年齢も重ねた上で着実にキャリアアップしたかったのではないかと、今では思っています。

 

新しい職場は、男女差なく活躍できる環境が整っていた

転職した企業は平均年齢28歳と若く、男女比は半々。事業部でみると8:2で圧倒的に男性ばかりでした。

でも女性だから、男性だからといった区別は特にありませんでした。シンプルにプロセスや結果をみる環境。対応もさっぱりしていたので、これからのビジネスはこういう形になるのかな。とワクワクしていた記憶があります。

女性が働きやすい環境も整っていて、育休産休はしっかり取得できる。復帰もしやすい状況でした。

「自分はどんどん上を目指していきたい。30歳なったら結婚して、子供を産んで…」

と、バリバリ働きながらライフプランを考え、それを社内のスタンダードにしていこうとしている女性の先輩もいて、面白いなと思いました。

男女差なく活躍できる環境となれば当然、業務内容も男女平等。九州出張からその日のうちに東北に移動、翌朝すぐ東京に戻るなど、かなり過酷なスケジュールで動いていました。2年半でほぼ47都道府県制覇するくらい出張が続き、体力的にはかなり厳しかったと思います。その点だけは唯一男性には敵わないと感じていました。

キャリアの変化。チームリーダーになってもがいたこと

その後、 少しずつ実績をつけチームを持つことに。自分自身がリーダーの立場になってからは、目先の売り上げを重視するあまり、全ての業務を巻き取って自分でこなすようになっていました。

結果、メンバーに自分には任せてもらえないんだ」と思わせてしまって、とくに男性社員のプライドを傷つける結果に。このままではいけないと考え、ある時からいろんな人にアドバイスを求めるようになりました。他部署に話を聞きに行ったり、どんなチームを作るべきか模索して、各方面からダメ出しもたくさんもらって。

迷いながら少しずつメンバーとの接し方を考え、まずは自分がゴールを示し、友人にアドバイスするような感覚の距離感でコミュニケーションするように変えていきました。

男性には具体的な数字や目標を掲げて、こういう選択肢があるよ、と提示する。女性は自分で考えて動く人が多いので、細かい指示はしない。やった結果ではなく「あなたのしてくれたことが嬉しかったよ」と気持ちを伝えることを、今も大事にしています。

いまではこれまでの経験を踏まえ、いい意味で男女フラットな関係を構築することができていると感じています。私自身が女性であるがゆえの窮屈さを感じることは少ないのですが、男性上司が

「こういうことを言ったらセクハラになるのでは」

などと気にする場面も多く、今は女性よりもむしろ男性の方が環境に過敏になっているような印象がありますね。

30代を目前に、いま思うのは学んできたことを発揮したい。

29歳の誕生日に、どういう30代になっていたいか、自分のことや仕事のこと、いろいろと書き起こしました。将来的にはどこにいってもやっていけるようなキャリアの基盤を作っておきたい。これからも目指す目標をひとつづつ達成していきたいと、改めて考えました。

以前はキャリアを構築するにあたって、20代の後半が勝負だと思っていました。でも、人生の先輩から

「30歳を迎えた最初の5年間が勝負だよ」

とアドバイスを受けたことがあって。20代に何をしてきたかをアウトプットし、土台を作り始めるのが30代前半と教えられ、なるほどなと納得しました。私も30代に入ったら体力づくりに励みながら、今まで学んできたことを思う存分発揮したいです。

あの頃、可能性を広げることより、自分で勝手に限界を決めていた

大学を卒業する時には、この先普通に地元で就職して、流れで結婚して、家庭をもつんだろうなと漠然と考えていました。

安定した人生が一番。そう思っていましたが、実際に働き始めてみると、あと40年この仕事を続けられるのかな?と疑問が生まれて。周りを見渡してみても、誰も仕事にやりがいを求めていないように見えたんです。

私自身、責任ある仕事はしていましたが、社会人1年目は周りに女性しかいなかったので、女性の生き方ってこういうものだと思い込んでいたところがありました。2年目に入り外部研修に関わったり、ネットで情報を集めるようになってから初めて「自分はなんて狭いところにいるんだろう」と気が付いたんです。

一歩外に踏み出してみると、これまで自分で勝手に自分の限界を決めていただけなのでは?と思いました。まだ20代なのだから、今のうちにできることをやってみても、後悔はしないんじゃないかと。

公務員から民間企業へとステージは変わったけれど、医療業界に携わるようになってもうすぐ10年になります。業界に関する知識の下地はできているので、今後も経験を活かしていければ。30代はインプットは続けつつ、今以上にアウトプットの時間を大切にしていきたいです。

<キャリアアップしたい人へのアドバイス>

完璧を求めない。あれもこれもと欲張ってもうまくいかないので、まずウォントとマストに分けることが必要だと思います。

例えば仕事を選ぶ時に、給与や勤務先、定時で帰れるのか、とかどんなキャリアップの道があるのかなど、考えることは多いです。

ゼネラリストとしてキャリアアップしたいのか、それともスペシャリストを目指すのかでも選択は変わるでしょう。
加えて子育てもしたいとなると、どうしても仕事よりも家族が優先になるはず。
だったら、その他の要素はある程度譲歩する…と言った具合に、物事のウォントとマストを考えた方がいいと思います。

採用する立場から見ても「キャリアアップしたいです、でも定時に帰らせてください。無理はしたくありません。休みは全部取得させて欲しいです。給与はこれくらい欲しいです。」では厳しい。希望を言うだけのスキル・能力を持っていることが前提。

だったら、たくさん希望はあっても一番譲れないものは何かを大事にすること。

それが決まっていれば、あらゆる選択がシンプルになるのではないかと思います。

M.Eさん(29)
大学卒業後、地方公務員として医療機関に勤務。26歳で初めての転職・上京を経験。MAPにてキャリア支援をし、医療総合サービス会社にて事業推進担当として約3年従事。営業未経験からチャレンジし、表彰など数多くの実績を出す。現在は人材コンサル会社にて医療領域を担当。