【対談】せたがや若者サポートステーション×日本若者転職支援センター

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やりたいことを先に見つける必要はないと話す、せたがや若者サポートステーションの早坂さん。活躍できる場を提供していきたいと願う、日本若者転職支援センターの鶴居との対談インタビューを紹介します。

せたがや若者サポートステーション 早坂(右)
大学在学中に心理学を学ぶ。卒業後、NPO法人にてひきこもり支援に携わった後、サポートステーションの就労支援事業と出合う。現在はせたがや若者サポートステーションに相談員として従事。
日本若者転職支援センター 鶴居(左)
大学卒業後、百貨店にて販売員を経験。2017年MAPに入社、高卒キャリアに特化したTOPGEARの専門コンサルタントに従事。現在は日本若者転職支援センターにてチーフとしてマネジメントをしながらキャリアアドバイザー・法人担当として活躍中。

ーーサポートステーションでは、どんな取り組みをされているのですか?
早坂サポートステーションは、ひきこもりや働いていない15〜39歳の方の就労準備をサポートする厚生労働省の事業です。現在は多様な生き方が推奨されていますが、一方で不登校やひきこもり期間が長引くなど、様々な理由で働く自信を失っている方も多くいらっしゃいます。

私たちの目標は、利用者の方が就職活動ができる状態になっていただくことですが、その前段階として「働く自信」を回復する、就職を目指す場所でもありたいと考えています。

ーー実際にどんな支援をしているのですか?
早坂大きくは「相談」と「プログラム」の2つです。まずは相談でキャリアや仕事に対する不安がある、働けない状態にある方の心のサポートを行っています。

その後、体験プログラムや講座を通して、ご自身が伸ばしていきたいと思えることにそれぞれ取り組んでいただきます。

せたがや若者サポートステーションの特徴は、プログラム数の多さ。

早坂まずは家から出たり、人と共同作業をするといった習慣づくりが重要。そのため、清掃体験のジョブトレーニングや、コミュニケーションに慣れるための演劇や詩吟、ワークショップなどを行います。その後は各種プログラムや自己理解のセミナーを通して、周りとコミュニケーションを取りながら、自分自身を理解していきます。

また、就職活動に向けた面接対策や履歴書対策なども行います。各地域のサポステによってサポートの内容は異なりますが、せたがやサポステは都内でもセミナールームが一番広いこともあり、プログラムの内容を充実させています。

ーー鶴居さんとせたがや若者サポートステーションとの出会いのきっかけは?
鶴居:日本若者転職支援センターでは、以前から幅広い方々の就職支援をしたいと考えていました。

普通に就職活動ができる、各社から引く手あまたで選べる立場にある…そんな方よりも、働くこと自体に不安がある方こそ支援をしていきたい。これは会社の理念でもありますし、私個人の考えでもあります。

そんな中で、施設で育った方をサポートするNPO団体を訪問ししました。そこでサポステさんを知りました。

早坂鶴居さんと初めてお会いしたのは、2018年の夏頃。サポステ利用者さんの話を丁寧に聞いてくれて、相手の心にすんなり入っていく方だという印象を持ちました。

鶴居さんと利用者さんの面談には、私たち相談員も同席しているのでよくわかるのですが、いつもとても誠実に対応していただいています。

面談後は、利用者さん自ら「さっき鶴居さんが話していた仕事、チャレンジしてみようかな」と言われることも。鶴居さんとの対話で、みなさんすごく前向きになるんですよね。利用者さんそれぞれに合わせてできることを提案してくださるのもありがたいし、とても安心感があります。

鶴居:ありがとうございます。面談時は「何したい?どうなりたい?」と、やみくもに質問をするのは違うと思っていて。まずは相手の気持ちを受け止めることを大切にしています。

ーー日本若者転職支援センターの支援で就職が決まったサポステ利用者さんがいらっしゃるとか。
鶴居:はい、専門学校を卒業して漫画家を目指しながら、コンビニのアルバイトしていた30代の女性です。6年間の就業ブランクがあったタイミングで面談させていただきました。

早坂そうでしたね、サポートステーションのプログラムを利用していた方です。

鶴居:最初お会いした時は物静かで、自信がなさそうな方という印象でした。ただ、こちらの話すことは真摯に受け止めてくださって、何度も弊社に足を運んでいただいて。企業の一次面接を通過した時には、大きく変化したのを感じました。

早坂サポステでは、2ヶ月で社会人・就活・社会生活に必要なことを身に付ける通所型のプログラム、集中訓練を実施しています。

今年度も予定していて、その方も、日本若者転職支援センターさんに行く前に、集中訓練プログラムを受けていました。
鶴居さんに面談していただいたのは、ちょうどそのプログラムを修了した頃でしたね。

鶴居:最初は就職できるのかどうかを悩んでいらっしゃいましたが、面接した企業の評価を本人に伝えたあたりから、話し方がだんだん明るくなってきて。発言も徐々に前向きになっていったのを覚えています。

早坂:彼女が入社した後も定着支援として連絡を取り続けています。月に1度はサポステにきて、近況報告してくれているんですよ。来所時はスタッフみんなに挨拶してくれて、会うたび髪型が変わったり、どんどん華やかになっていって…。いきいきと働いているのが伝わってくるんです。担当していた相談員も、いつも楽しそうに彼女の様子を話しています。

鶴居:それはうれしいですね!

ーー日本若者転職支援センターではたくさんの方の転職支援をしていますが、どんな人が来られるのですか?
鶴居:学校を卒業する前の方。就職・アルバイトをしたことがない方も登録にいらっしゃいます。

離職期間が長い方、学校を卒業してから就職先をすぐ辞めてしまい職業訓練を受けている方、大学院は出たけれども就職先がなくて、契約社員しか選択肢がない状況で悩んでいたり…本当に様々です。でも、みなさんきちんと面接を受けて、新しい環境への一歩を踏み出しています。

ーー高校卒業後、一度就職してから転職を考える人も多いですよね。
鶴居:そうですね。高校卒業時の就職活動では、本当に自分がやりたい方向性が見えないまま就職先を選択している人が多い印象です。

中には、学校側から「製造・販売・事務の3つの選択肢から選びなさい」と言われた方もいて、本人の希望を踏まえた就職相談ができていないケースもあるようです。

ーー就職がゴールになってしまっているんですね。相談を受ける中で、最近印象に残った方はいますか?
鶴居:大学院卒業時に就職できず、その後方向転換して未経験の分野で活躍している方がいらっしゃいます。専門的な勉強をしてこられた非常に優秀な方なのですが、ご自身ではコミュニケーションが得意ではないと思われていたようです。

でも、今では未経験からは難しいとされるポジションで活躍していて、企業からも感謝されています。

働いてみないとわからない。働いてみて花が咲くこともある。

鶴居:私は最初からやりたいことがはっきりしていなくてもいいと思っているんです。「やってみてから向いている、やりたいことを見つける」でもいいのでは、と。

早坂私も同意見です。やりたいことを見つけるのがスタートになってしまうと、「何か見つけなきゃ!」と、やりたいことがないことを苦しんでしまいますから。
実際にチャレンジする中で、私ってこういう仕事ができるんだ!と知っていくことが大切だと思います。

ーー今後チャレンジしたいこと、展望について教えてください。
鶴居:日本若者転職支援センターでは、今後もより多くの社会貢献をしていきたいです。

20代の若手だけでなく、それ以上の年齢の方もサポートできるよう、就労支援の幅を広げていきたいと考えています。また私たちの活動に理解がある企業とも連携していきたいです。

早坂:サポートステーションでは、私たちができる範囲で利用者さんの就労に力をいれていきたいです。今後は中小企業や、若者を雇用したい・育てたいという意欲のある企業さんとも繋がっていきたいですね。

ーーそれぞれ役割は違っても、目指す方向は似ていますね。
鶴居:私自身、転職活動がうまくいかなかった経験があって。営業職を目指していたのですが、面接では仕事ができないイメージを持たれていたんだと思います。でも今はこうして、やりたかったこと以上の仕事ができている。

これは、私が活躍できる場を上司や先輩が作ってくれたからだと感じています。

自分の経験から、イキイキと働く人を増やすには「活躍できる場を作ること」が大切なのではと思うようになりました。だからこれからは、私も誰かが活躍できるステージを作っていきたいんです。

ーー最後に、働くこと・将来のことに悩んでいる若者へメッセージをお願いします。
早坂:サポートステーションでは、プログラムや相談など決まった仕組みがありますが、枠にとらわれる必要はないんです。

利用者の方が、こういうふうにしてほしいな、やりたいなと思えるところに寄り添いながら、個別にサポートしていきます。

鶴居:働くことをネガティブに捉えて考えている人が多いけれど、仕事ってイヤなことばかりじゃない、と伝えたいです。

仕事で自分の可能性を広げることができるし、仕事が幸せに繋がる部分も大きい。働く楽しさを実感してもらえるような支援をしていきたいと思います。

ーーありがとうございました。