国税庁が民間給与の実態を毎年調査・発表する「令和3年分民間給与実態統計調査」によると、給与所得者全体の平均給与は443万円。男女別平均では男性545万円、女性302万円となっています。うち、年収1,000万以上の人の割合は全体の4.9%。この数字を男女別にみると、年収が1,000万以上ある人の割合は、男性では7.6%、女性はたった1.2%という結果が出ています。

参考:「令和3年分民間給与実態統計調査」(国税庁)

法整備の進展や企業の産育休制度改正などもあり、男女間賃金格差は長期的に見ると縮小傾向にあります。とはいえ、結婚や出産といったライフイベントが女性のキャリアプランや年収に与える影響は未だ少なくないー。このデータからもそんな実情が伺えます。

女性がライフイベントの影響を受けずに強いキャリアを作るには?年収UPを見据えたキャリアプランの考え方とは?

今回のテーマは「女性のキャリアとお金の話」。30代にして「女性の年収上位1%」を実現した飯田恵梨さんに、年収UPのための戦略的なキャリア設計についてお聞きしました。

飯田恵梨さん(LinkedIn TOP VOICES 2023)

Profile

飯田恵梨さん(LinkedIn TOP VOICES 2023)

外資系本社で働き世界一を獲得した地方在住グローバルリーダー。専門領域は組織開発、ビッグデータを使った分析・人材開発コンサルティングなど。社員52,000名のグローバル企業で世界トップコンサルタントのタイトルを2回受賞。新たな働き方や生き方を実践し、自分らしく世界で活躍するリーダーを生み出すことをライフワークとしている。

本記事のインタビューは動画でもご覧いただけます

年収UPのために、ビジネストレンドをキャッチ

情報は常に収集しています。

本や新聞を読んだり、オンラインサロンに参加したりする方法もありますが、リーダーの方が発信している内容をただ受け取るというよりも、1対1で話せる機会を大切にしています。

身近な人はもちろん、情報収集して見つけた「気になる人」に、LinkdInやWantedlyから直接連絡し、会いに行くことも。

例えば海外のマーケティングは日本の数年先を進んでいるので、現地で生の情報を得ると「日本も3年後はこの手法が主流になっているな」と考えたり。

こういった生きた情報は、新聞やオンラインサロンからは得られないと思っています。

年収UPに成功した理由、ロールモデルの存在

知らない人にも会いに行く、なんていうと、積極的な性格だと思われるかもしれませんが、幼少の頃はとても大人しいタイプでした。

最初は事務の派遣社員からスタートしたので、キャリアについて真剣に考えはじめたのも遅かったのですが、私には母というロールモデルがいました。

一家の大黒柱として。カッコよくスーツを着こなしバリバリ働く母を見て「私もあんな風になりたい!」と憧れていて。給与明細を見せてもらって、その額にビックリしたこともありました。

なりたい姿を実現している存在が近くにいると、キャリアアップに向けたモチベーションのスイッチが入るのかもしれません。

リスクを取らないと、理想は実現できない?

多少なりとも他の人と違うことをしなければ、成功できないと思います。

先ほど「知らない人に会いに行く」という話をしましたが、かなり勇気がいることだ、真似するにはハードルが高い、と思われるかもしれません。

でも「会いたいです」とお願いするのはタダでできることだし、断られたとしても別に自分の人生が終わるわけじゃない。そう考えれば、大したリスクではありません。

リスクを取って行動を続ければ、年収は上がる?

すぐに評価や年収UPといった結果が見えなくても、行動することで応援してくれる人がどんどん増えていきます。すると自分自身「ああ、この道で合ってるんだな」と思えるからさらに行動できるようになり、いつのまにか年収もついてきます。

年収やスキルの向上は語学学習に似ているように思います。例えばずっとコツコツ英語の勉強していても、テストのスコアが上がらず、身に付いている実感も沸かない「停滞期」を経て、ある時急に「あ、わかる!」と実感できる瞬間、ありますよね?

スキルと年収にも2年くらいタイムラグがあるのでは。特に20代のうちは「目標とする年収を追いかける」のではなく、まずはスキル向上に注力して「年収は後からついてくる」と考えたほうがよいと思います。

インタビューの続き:「年収1,000万円を超えたら、生活は変わる?

女性の転職なら、MAPウーマンキャリア

ライフステージの変化に左右されない強いキャリアが欲しい。スキルアップして、もっと活躍したい。そんな女性のための転職支援サービスです。