聞いたことはあるけれど、詳しくはよくわからない、あの仕事。具体的な業務内容を知りたい、適性を知って転職活動の参考にしたい ―。そんな人のために、気になるあの仕事で活躍する人に聞く「気になるしごと」。今回ピックアップする仕事は、カスタマーサクセス(CS)です。

株式会社MAP Tech事業部 カスタマーサクセス担当 松本 知恵さん

気になるしごと人

株式会社MAP Tech事業部 カスタマーサクセス担当 松本 知恵さん

GMSの食品部門にて4年間勤務。マネージャー代行、新店舗の立ち上げの中で部門責任者を経た後に人材業界へ転職する。現在はカスタマーサクセスとして転職エージェントの集客マーケティング支援に従事。

自分の市場価値を高めるため、未経験からカスタマーサクセスに

弊社の主事業は20代、30代の若手人材に特化した人材紹介です。私が所属するTech事業部では、自社が蓄積したノウハウを他の人材紹介会社に提供するサービスを展開しています。

具体的なサービス内容は、スカウトメール自動化ツール(RPA)や、転職活動に特化したコミュニケーションツール「365(サンロクゴ)」の開発と提供。これらを用いた業務効率化を支援しています。

私はTech事業部のカスタマーサクセス担当として2019年に入社しました。でも、転職前からカスタマーサクセスの仕事について詳しくは知っていたわけではありません。

前職は大手GMS企業で、新店舗の立ち上げ業務や催事部門を担当していました。個人のお客様に対する販売や接客マナーは身についたので、法人営業などBtoBの仕事も経験したいと考えたのが、転職のきっかけでした。

前職時代、新入社員社内研修会場での様子

当時考えていた転職のテーマは「自分の市場価値を高める」こと。カスタマーサクセス職を選んだことで、この目標を達成できると考えています。

顧客の成功体験に向けた提案とサポートがミッション。

カスタマーサクセスのミッションは、文字通り「クライアントの成功体験に向けた提案とサポート」。つまり、自社のサービスを効果的に活用していただき、業務改善や直接的な売上につながるようサポートするのが私の仕事です。入社して1年が経過したこの6月からはカスタマーサクセスに加え、フィールドセールスも兼任しています。

インサイドセールス担当者が獲得したアポから商談を実施し、受注するまでがフィールドセールスとしての仕事。その後、既存顧客のフォローをしながら、成功体験を得られるようにサポートするのがカスタマーサクセスの役割です。

クライアントは全て人材紹介会社ですが、各社それぞれ事情や課題は異なるので、カスタマーサクセスとして都度的確な判断を迫られます。さらに、全国各地のエージェントと円滑なコミュニケーションを取るために、土地ごとの市況感を把握する必要も。

最近は既存顧客だけでなく、新規のお客様と話す機会が増えた分、自分に蓄積すべき知識や情報の量も増えました。また、決裁権のある方と接する機会が多いので、常に経営視点を意識した提案を心掛けています。

カスタマーサクセスとしての目標設定やKPI

カスタマーサクセスとしては、既存顧客の契約継続率やオプションなどによるアップセル、フィールドセールスとしては新規受注数と、それぞれの役割について目標やKPIを設定しています。

実は元々、数字を扱うのはあまり得意ではありません。でも目標に対する行動の組み立てなど、戦略的な動きができるのは、前職での経験があったから。店舗の売上や数値管理、在庫管理で養った数字意識が今活かせています。

また、前職では小売店という特性上、小さなお子様から年配の方まで、幅広い世代の人と数多く接していました。現在の仕事で関わるのは年齢も社会経験も自分より上の方ばかり。ここでも前職で培った「目上の方とも臆することなく話せるスキル」が役に立っています。

クライアントの伴走者でいられることが、仕事のやりがい

クライアントとの定期連絡は2週間に一度程度ですが、状況によっては1日に何度も電話で連絡を取り合うこともあります。

カスタマーサクセスのやりがいは何といっても、クライアントと並走できること。中には

「今月の集客目標まであとこれくらいなんです」

と、具体的な数字を開示して相談してくださる企業もあります。状況と課題に応じた集客方法やターゲティング設計をご提案し、社外の人間ながら同じ目標を追えるのがカスタマーサクセスというポジションの醍醐味。大きな責任を伴いますが、目標を達成した時にはそれ以上の達成感があります。

逆に、落ち込むのは解約連絡を受けた時。サービス内容への不満からの解約ではなく、事業部自体の縮小や撤退によるものも多いですが

「少なからず、解約前にカスタマーサクセスとしてもっとクライアントにとって有益な提案ができたのではないか?」

と、毎回考えてしまうんです。

サービスを提供して終わり、ではなく、自社サービスの利用によってよりよい未来を一緒に作り、目標へと引っ張るのがカスタマーサクセスの仕事。反省点は次に活かせるよう、常に考えて動いています。

カスタマーサクセスのスキルアップ勉強法

ビジネスマッチングアプリを通じて同業の方と意見交換したり、SNSのコミュニティに参加したりして、常に情報収集には力を入れています。

私は未経験でカスタマーサクセスになり、社内に同ポジションを担当する者もいないので、自分の行動や業務の進め方について

「カスタマーサクセスとしてベストな選択が出来ているだろうか?」

という不安が常にあるんです。だから、他社の導入事例や目標管理について学べる機会はとても貴重。今はオンラインでいろいろなセミナーや交流会が開催されているので随時活用しています。

カスタマーサクセスに向いている人、向かない人

カスタマーサクセスは、人が好き、コミュニケーションが好きな人に向いている仕事です。私自身もコミュニケーションは得意ですが、論理的な説得力に欠ける点は今後の課題。

あとは情報収集能力に長けていて、幅広い提案ができる人も向いていると思います。

逆に人に興味がない、コミュニケーションや思考の言語化が苦手な人や、決められたパターンで仕事を繰り返すのが好きな人には辛い仕事かもしれません。

顧客に寄り添う姿勢がなくては成り立たない仕事ですし、状況に応じたフレキシブルな対応を求められることも多いですから。

カスタマーサクセスは、一生続けられる仕事

今は仕事を通じてクライアントと関係構築することが何より楽しいです。

あくまでビジネス上の関係ではあるけれど、クライアントの心理的安全性が高い状態を維持しながら良好な関係性を作っていきたい。営業職とは違う、カスタマーサクセスだからこそできる「パートナーとして選ばれるコミュニケーション」を心掛けています。

知れば知るほどやりがいがあって、奥が深いこの仕事。この先もっと極めたいです。

奇しくもコロナ禍によってビジネスのオンライン化が加速したことでも、カスタマーサクセスという仕事の重要性を痛感しています。高いスキルがあれば時短勤務やリモートワークも可能で、パラレルキャリアを構築しやすく、一生続けられる。結婚や出産などのライフイベントを経てもキャリアを継続したい女性には、特におすすめの仕事です。

どんなサービスやプロダクトでも扱える、結果の出せるカスタマーサクセスになりたい。それが、今の私の夢であり、目標です。

カスタマーサクセス(CS)とは

「クライアントを成功に導くパートナ役」

顧客を成功に導くため、サービスやプロダクトの効果的な活用をサポートする仕事。顧客問い合わせ対応メインのカスタマーサポートよりも能動的なアプローチが求められる。サブスクリプション型ビジネスの成長と共に求人が増えつつある、近年注目を集めているポジション。