人事・採用担当者にスポットを当てるインタビューシリーズ「教えて!人事」。今回は株式会社グッド・クルーの小島さんにお話を聞きました。天職だと思っていたブライダル業界の仕事から一転、人材業界に飛び込んだ理由や、採用面接で重視しているポイントなどを教えていただきました。

株式会社グッド・クルー 東京オフィスHRコンサルティング事業部 採用マーケティング部門リーダー

小島杏奈さん

株式会社グッド・クルー 東京オフィスHRコンサルティング事業部 採用マーケティング部門リーダー

大学卒業後、ブライダル業界に進み念願のドレススタイリストを約4年経験。その後2017年2月にグッド・クルー入社。現在は新卒・中途の採用を担当。感情移入能力®の研修や検定の構築を行っている。

どんな仕事にも必要な「感情移入能力®」

株式会社グッド・クルーは、モバイル業界を対象とした人材派遣と、販促イベントの企画運営という2つの軸による事業を行ってきました。今後は「人財プロデュースのプロフェッショナル集団」として、採用代行や研修コンサルティング、人材紹介など、HR領域の事業を幅広く展開していく予定です。

現代社会の様々な課題を人事(ヒトゴト)で解決する事業を展開(写真提供:グッド・クルー)

現在は社内で独自に開発したコミュニケーションスキル「感情移入能力®」の浸透に注力しています。
「感情移入能力®」とは、表面的な相手の言葉や行動だけでなく、その裏側にある価値観や理想とする姿、まだ顕在化していない相手の感情や思いを引き出すコミュニケーションメソッド。質問力や傾聴力が問われる販売接客業・営業職はもちろん、どんな仕事にも必要なスキルだと考えています。

私は採用担当兼研修リーダーとして、このスキルの社内浸透に率先して取り組んでいて、来期(2021年3月)以降に具体的な教育方針を確立させる予定です。

仕事内容にこだわらず転職した理由

現在は採用と教育・研修を担当している私が、グッド・クルーに入社したのは2017年2月。ブライダル業界で約4年間、ドレススタイリストの仕事を経験したのちに中途で入社しました。

ブライダルの仕事はハードながら、お客様の大切な1日を作り上げるやりがいはとても大きく、入社して1~2年は仕事に没頭する日々を送っていました。私自身「ドレススタイリストは天職だ!」と感じていましたし、周りからもいつも「楽しそうに仕事しているね!」と言われていて。

でも、後輩の教育や育成を担当する立場になると、「自分が表立って活躍するのではなく、誰かが仕事で輝けるようサポートする役割のほうが、自分にあっているのでは」と思うようになったんです。

もともと、業界の華やかさへの憧れ先行で選んだ仕事。中長期的なプランやキャリアパスを考えておらず、目の前の仕事にただただまい進するだけの自分に限界を感じてもいました。社内にロールモデルとなるような先輩社員の存在がなかったことも、不安の原因だったように思います。

憧れの仕事に就けて幸せだったけれど、仕事内容だけにこだわるのはもうやめよう。仕事はなりたい自分に近づくための手段のひとつなのだから、どんな業界のどんな仕事を選んだとしても、目標に近づくことはできるはず。そう考えて、転職を決意しました。

まさに「共感採用」!友人の誘いがきっかけで入社

私はもともと、ひとつのことに集中したい性格。多忙な業務と転職活動を両立できる自信がなかったので、前職を退職してから本格的な転職活動をスタートしました。入社を決めたのは、退職してから1ヵ月経った頃。グッド・クルーに勤めていた友人の勧めで、社長と話す機会を作ってもらったことがきっかけでした。

自分が勤めている会社に、親しい友人を誘う。その行動自体が、私には衝撃的で。会社に対してよほど誇りや愛情を持っていなければ、長い付き合いの友人を誘ったりできませんよね?

グッド・クルーが掲げている「共感採用」では、学歴やこれまでの経歴よりも、事業理念に共感できる人かどうか、という点に重きを置いています。そう、私自身がまさに「共感採用」で入社した人。会社やメンバーに対する社長の思いの強さや企業理念が深く心に刺さりました。

会社が見据えている方向性に共感できているならば、仕事内容はなんでもいい。なんだってできる。そう思えたんです。この会社でなら自分らしく力を発揮して、なりたい自分になるヒントが得られると確信し、入社しました。

書類選考はしない。希望者全員と「対話」する

グッド・クルーの採用フローの特徴は、書類選考をせず、入社を希望される方全員との面接を実施している点にあります。

全員とお会いしている理由は、実際に話してみないとわからないことが多いから。学歴や経歴だけでなく、これまでの体験や背景、今後のビジョンや仕事観を知らないままに選考を進めることはできないと考えているんです。求める人物像も「事業内容ではなく、グッド・クルーのビジョンや理念に共感できる人」。そのため、面接ではじっくりと時間をかけて密な対話をすることを心掛けています。

もちろん、面接の場で一方的に理念を押し付けたり、価値観を変えてもらうよう誘導することはありません。候補者の方が考える人生の方向性と、私たちの理念がリンクするかどうかが、面接のポイントになります。

私自身が面接で重視しているのは、「『自分の言葉』で話せる人かどうか」という点。面接の受け答えを事前に想定し、準備する姿勢はとても素晴らしいものですが、どこかから借りてきたような「お手本通り」の言葉からは、本当の対話は生まれません。言い回しが稚拙でも、言葉が足りなくても構わないので、自分自身の言葉で向き合って欲しいと思っています。

本音で向き合うために、私も聞かれたことに対しては正直にお答えします。どんな会社にもいい面、悪い面があって当然。面接の場で取り繕っても、仕方ないですからね。

希望する方全員とお会いして、都度じっくりお話しするこのスタイルは、決して効率のよい採用手法ではありません。でも、候補者の方と入社前に徹底的に向き合うようにしてからは、ミスマッチ採用を未然に防ぐことに成功。早期離職は大幅に減少しました。非効率であっても、無駄ではないと確信しています。

転職活動中の人へアドバイス

私自身も経験したことですが、仕事内容にこだわり過ぎると、可能性を自ら狭めることになりかねません。仕事内容よりももっと先、「仕事を通じてどうなっていきたいのか?」という「ありたい姿」が明確になったら選択肢は増えるはず。視野を広く持って、転職活動に挑んで欲しいですね。

私自身のありたい姿は「人間パワースポット」。一緒にいるだけで自然と元気が出たり、勝手にやる気になってしまう。そんな存在になりたいと思っています。

そのためにも「仕事ってすごく楽しいものですよ!」と、広く発信していきたい。仕事は自分を成長させてくれる、最高のツールですから。

株式会社グッド・クルー

 

株式会社グッド・クルー

サービス業界に適した人材プラットフォームを構築。“感情移入サービス”で付加価値を加え、社会全体に貢献し続けられる企業を目指している。

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