近年、テクノロジーの進化は世界中のあらゆる業界に影響を及ぼしています。若い世代が今後のキャリアを築く際にも、ITに関する基本的な知識はもはや不可欠となりつつあります。

そんな中、初心者からスタートし、確かなITスキルを手に入れる第一歩として「ITパスポート」という資格が注目されています。

この記事では、ITパスポートの特徴と、その取得によって得られる社会での活躍の可能性について探っていきます。

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【ITパスポート】ITパスポートとは、どんな資格?

近年注目、入門者向けの資格

ITパスポートは、IPA(情報処理推進機構)が実施している、ITに関する国家試験(情報処理技術者試験)の一つ。(公式HP:ITパスポート試験:独立行政法人情報処理推進機構)

12種類ある情報処理技術者試験の中では最もチャレンジしやすい入門レベルとして位置付けされています。ITに関する基本的な知識やスキルを習得するための資格として主にコンピュータの基本操作、ネットワーク、セキュリティ、データベースなど、IT分野の幅広い領域に関する基礎的な知識が対象となっています。

ITパスポートは「IT」という名称を冠しながらも、プログラミングや高度な専門知識や実技演習を必要としません。そのため、IT初心者や学生、初めて資格取得に挑戦する人など、幅広い人が取り組みやすく、年々受験者が増えている注目の資格試験です。

過去10年の全体の合格率は約50%程度ですが、後述のように「企業の仕組み」など経営に関する内容も出題範囲のため、社会人で約60.6%、学生で約42.5%と、社会人受験者の合格率が学生に比較して、やや高めとなっています。

(参考:情報処理技術者試験統計資料:独立行政法人情報処理推進機構)

ITパスポートの出題範囲

ITパスポートはその名前からは想像しにくいですが、ITに限らず企業の成り立ちや構造などの幅広い知識も身につけることができます。

構成としては大きく「ストラテジ系」「マネジメント系」「テクノロジ系」の3つに分かれており、それぞれのセクションがさらに「大分類」「中分類」と細かく分けられています。

ストラテジ系

経営/システム戦略・マーケティングなど、企業経営に関連した出題が中心。

著作権、個人情報保護法などの比較的新しい法律も出題範囲です。

ストラテジ系の問題は全体の35問程度を占めます。

マネジメント系

システム開発・プロジェクト/サービス管理などが主な出題範囲です。

開発の手法や用語に関する内容が、多く出題されます。

マネジメント系の問題は全体の20問程度を占めます。

テクノロジ系

前者2項目に対してIT要素が強いテクノロジ系。

数学的基礎理論(進数)やネットワーク、データベース、そしてセキュリティなどの知識が必要です。

テクノロジ系の問題は全体の45問程度を占めます。

【ITパスポート】ITパスポートを取得するメリット

取得するメリット

ITパスポートを取得するメリットは様々ですが、一般に下記のようなものがあります。

◆基本的なIT知識が身につく:

ITパスポートは情報技術の基本的な概念や用語、ネットワーク、セキュリティなどに関する内容を網羅しているため、IT業界でこれから活躍したいという方にぜひ受験をおすすめしたい資格です。

実技試験がないなど試験自体の難易度は高くないものの、幅広い知識を身につけられるので、未経験の方でも無理なくITの知識を身につけることができます。

◆転職のアピールポイントになる:

ITパスポートは、転職時に履歴書や面接でのアピールポイントとなります。

特に、IT業界未経験者でエントリーレベルのポジションを狙いたい時、大いに役立つ資格となります。

◆ITスキルを有している証明になる:

ITパスポートは、基本的なITスキルを有していることを示す指標になります。

転職時はもちろん、プロジェクトや業務のアサイン時などにも一つの判断基準になるため、チームのリーダーや雇用主にとってもメリットのある資格と言えます。

◆キャリアの可能性が広がる:

ITパスポートは、より高度なIT関連資格へのステップアップのスタート地点として活用できます。

一般的には上記のようなメリットがありますが、ここで実際に資格を取得した方の声を紹介します。

ITパスポートを取得した人の意見

ITパスポートを取得した人からは、実際にこのような声が上がっています。

・入社時、基本的なITスキルがあると認知され配属先がスムーズに決定した

・未経験だったがITに関する案件へアサインされ、キャリアアップできた

・難易度は高くないが国家資格にあたるため、実際に取得できて自信につながった

・ITの幅広い知識が身につくため、他の資格を取得する際に基礎を早急に固めることができた

・ITパスポート取得後、徐々に難しい資格にチャレンジするなど順にスキルアップする事ができた

また、下記はITパスポート試験の対策講座を受講した方の声です。

直近で、外部研修のITパスポートコースを修了しました。 現在、Web・IT部門のサポート職として勤務していますが、研修を通して、管理者・技術者だけでなく社員全員がセキュリティ対策について学ぶ機会を作れないか考えてみようと思いました。初歩的なミスが原因で大きな事件や事故に発展してしまう可能性があるという事を知り、身が引き締まる思いでした。 

ITパスポートは、IT初心者だけではなく、ある程度知識を有している人にも役立つ資格なのです。

セキュリティの対策は知識の有無にかかわらず、社員一人一人の心掛けが大切です。

ITパスポートは上記の例のように、社内全体の意識を喚起するためのきっかけとしても、有効な資格です。

【ITパスポート】資格取得のステップ

資格取得のための学習計画

ITパスポートの内容は前述のように多岐にわたるため、要点を抑えて学習をする必要があります。

資格取得のセミナーや講座などもありますが、「シラバス」の活用が必須です。

内容は「シラバス」をベースに出題されるため、公式HPの「試験内容・出題範囲」からシラバスを必ず確認しておきましょう。

(公式HP:ITパスポート試験-試験内容・出題範囲:独立行政法人情報処理推進機構)

申込の手順

ITパスポートの受験料は、2023年時点で7,500円(税込)です。

支払方法はクレジット決済、コンビニ決済などを選択できます。

申込は公式HPから手続きをします。

<申込の手順>

  1. 利用者IDの登録
  2. 試験日時、試験会場を選択し申込
  3. 確認票のダウンロード
  4. 領収書の発行

申込完了後に届く「確認票発行のお知らせ」から、確認票を必ずダウンロードしておきましょう。

確認票に記載されている受験番号、利用者ID、確認コードの3点の入力が会場で必要になります。

この3点を控え忘れると受験ができないため、十分に注意しましょう。

また、ITパスポートは筆記試験ではなくCBT(Computer Based Testing=コンピュータを使ってマウスやキーボードで回答を入力する)方式の試験のため、あらかじめ公式HP上の操作説明や擬似体験ソフトウェアを利用し、当日の環境に慣れておきましょう。

【ITパスポート】DX人材への第一歩!

国家試験の中でも比較的チャレンジしやすいITパスポート。

義務教育はもちろん、高校でもプログラミング教育が必修になった今、「デジタルネイティブ」と呼ばれる人よりも、さらにITに精通した人材が世に出てくることが予想されます。

しかし、すぐにでもチャレンジしやすいITパスポートを取得することで、こうした人材にも負けないDX人材としての第一歩を踏み出せるはずです。

今後、ますますITスキルが求められる現代社会。早い段階でITパスポートを取得しておけば、きっとあなたのキャリアの中で役立つ時が来るでしょう。

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