ITという言葉は、その内包する意味を日々目まぐるしく変えています。

ほんの数年前まで珍しかったITツールや知識は、今では多くの人が当たり前に使いこなしています。

では、2024年における「ITリテラシー」とは、どのようなものが定義されるのでしょうか。以下に詳しく記載します。

【2024年のITリテラシー】セキュリティ意識の向上

セキュリティにおけるITリテラシーが必須であることは今に始まったことではありませんが、詐欺やマルウェアは多様化しており「自分は大丈夫」と確信しているITに精通したユーザーでさえも、時にその巧みな手口にはまってしまうことがあります。

ITを使いこなす上で、個人情報の保護やパスワード管理、フィッシング詐欺やマルウェアへの対策といったサイバーセキュリティに関する知識は必須です。

もちろん、個人だけでなく企業に勤めるビジネスパーソンとしても、非常に重要な部分と言えます。

【2024年のITリテラシー】AIとの共存

ここ数年でAI技術は飛躍的に進化し、私たちの生活や仕事にも多く活用されるようになりました。OpenAIが提供するChat GPTをはじめ、多くのAIが私たちの生活を豊かにし、また、仕事の効率化にも貢献するようになりました。

このようにAIをツールとして利用できるスキルは、ITリテラシーにおいて重要な位置を占めています。

AIを用いたコンテンツ生成やデータ分析の活用などはその一例です。

また同時に、生成したコンテンツやデータの取り扱いに関する法的な知識も今後一層求められることが予測されます。

【2024年のITリテラシー】データリテラシー

上記の通りAIやビッグデータの台頭により、データの取り扱いはもちろん、内容を理解し、分析・活用できる能力が求められています。昨今、データリテラシーはITリテラシーの一部として考えられているのです。

【2024年のITリテラシー】クラウドサービスの活用

クラウド技術の普及により、クラウドベースのツール・サービスを利用するスキルが重要となりました。例えば代表的なものに、Google WorkspaceやMicrosoft 365など、日常的に利用されるクラウドアプリケーションの操作や設定があります。

他にもビジネスシーンではSalesforceやキントーンなど多くのCRM(顧客管理システム)が国内外問わず開発・導入されており、企業の営業活動や社内のコミュニケーションなどで、すでになくてはならないものになっています。

【2024年のITリテラシー】デジタルコミュニケーションスキル

2020年は世界的にCOVID-19(新型コロナウィルス感染症)のパンデミックにより、多くの人たちが出社・登校など外出を伴う行動を中止せざるを得ない状況に追い込まれました。

そこで普及したのがリモートワークやオンライン学習です。

これらの普及に伴い、ZoomやTeamsなどのビデオ会議ツール、Slackなどのコミュニケーションツールを適切に使いこなす能力が求められています。

【まとめ】ここ数年での大きな変化

今から5年前にあたる2019年頃の「ITリテラシー」が指すものは、主に基本的なパソコン操作やインターネットの利用、Office系ソフトウェアの使用能力が中心でした。

さらに、サイバーセキュリティに関するリスク意識や認識も今ほど広く浸透していませんでした。

なんといっても2019年は、まだAIやビッグデータはもちろん、クラウドサービスですらその利活用が現在ほど進んでおらず、日常的に活用している、もしくは触れたことがあるというユーザーもかなり限定的なものでした。

一方で現在、2024年は、これらの技術の進展によりさらに専門的で多様なスキルがITリテラシーに含まれるようになりました。ITに関する学習を専攻していない、もしくは業務に従事していないという人たちの間でも、もはやこれらの利活用は日常的なものになりつつあります。

そして、デジタル世界での倫理やプライバシー問題に対する意識も高まっており、これらもITリテラシーの一部として認識されています。

SNSやオンラインゲームの普及により、現実世界と並行してデジタル世界が存在しているのが現代のリアルです。

炎上や拡散、発言の切り取りなどのリスクを十分に理解し、デジタル世界と上手に付き合っていくスキルが若いうちから求められています。

今後ITがますます進歩していくことで、それに比例して上記を上回るITリテラシーが私たちに求められる日もそう遠くありません。

しかしその一方で、ITそのものの入り口は初心者にもやさしいものになっています。

過去は相応の知識が必要だったAIは、現在ではチャット感覚で利用できるものが登場したり、数々のクラウドサービスも利用者拡大のため、ユーザーフレンドリーなものに進化を遂げたりしています。

苦手意識を持ちすぎずにITに触れることで、暮らしの中でITリテラシーを養っていくことが可能な世の中になっています。

仕事や生活の選択肢をより充実したものにするため、身近なITに触れるところから、ぜひ始めてみましょう。