ITパスポート試験の「ストラテジ系」、前回は「企業と法務」についてご紹介しました。

今回は「経営戦略」「システム戦略」を詳しく掘り下げていきます。

ストラテジ系における「経営戦略」「システム戦略」は企業活動と経済活動に密接な関係があるものと位置付けられており、学習することで実務で役立つ知識が得られます。

それでは早速、詳しく見ていきましょう。

【経営戦略とシステム戦略】経営戦略とは何か

経営戦略の概要

経営戦略とは、企業や事業の目的を達成するため競争に勝っていくための考え方で、かつ、企業の方向性を示すものです。

経営戦略で重要なキーワード

・SWOT分析

SWOT分析とは、企業を取り巻く環境に潜む機会及び脅威、企業がもつ強みや弱みを分析することによって、企業の外部や内部の環境を認識し、企業活動の今後の方向性を導き出すための手法です。

強み(Strength)、弱み(Weakness)、機会(Opportunity)、脅威(Threat)の4つの観点から分析を行い、その頭文字をとってSWOT分析と呼ばれます。

・外部環境/内部環境

外部環境とは、企業を取り巻くさまざまな要素のことです。

外部環境はさらにマクロ環境とミクロ環境に分けられます。

マクロ環境とは経済全体や、政治など、企業がコントロールできない要素のことです。

ミクロ環境は、業界・得意先・仕入先や競合他社の動きなど、自社が事業を展開している市場などの要素を指します。

対する内部環境とは、自社でコントロールすることができる要素のことを言います。

経営資源(ヒト、モノ、カネ、情報)や市場でのポジションといった自社の要素を指します。

・3C分析

3C分析とは「顧客(customer)」「競合(competitor)」「自社(company)」の3つを分析することで自社が成功する要因を見つけ出す、事業戦略を決定するための手法の一つです。

【経営戦略とシステム戦略】情報システム戦略と業務プロセス

情報システム戦略の概要

「情報システム戦略」とは、自社の経営戦略、事業戦略の実現を目的に、情報システムが構築されることを指します。

業務プロセスとモデリング

業務改善・問題解決を図るためには、現状の業務プロセスを分析して把握する必要があります。

その際に利用する代表的なモデリングの考え方を「業務プロセス」と呼びます。

代表的なモデリング手法には、E-R 図 ( Entity Relationship Diagram )、 DFD ( Data Flow Diagram )、 BPMN (Business Process Model and Notation)などがあります。

【経営戦略とシステム戦略】マーケティング戦略とは

マーケティングと重要なキーワード

マーケティングは、商品やサービスが売れる仕組みをつくることを指します。重要な用語として、以下のようなものがあります。

・UX

UXとはUser Experienceの略。

製品・サービスなどの利用場面を想定したり、実際に利用することによって得られる人の感じ方や反応を指します。

・4P/4C

4P分析とは、マーケティング施策を考える際に使用するフレームワークの1つで、1960年にマーケティング学者のエドモンド・ジェローム・マッカーシーが提唱しました。4Pとは、「製品・サービス」、「価格」、「販売場所・提供方法」、「販促活動」の頭文字を取ったものです。

(Product=製品・サービス、Price=価格、Place=販売場所・提供方法、Promotion=販促活動)

対する4C分析は、Customer value(顧客価値)、Customer Cost(顧客コスト)、Convenience(利便性)、Communication(コミュニケーションのとりやすさ)の4つを使った分析方法を指します。

・RFM分析

RFM分析とは、「最終購入日」、「購入頻度」、「購入金額」という3つの指標を用いて顧客をグループ化する分析手法です。

(R=Recency:最終購買日、F=Frequency:購買頻度、M=Monetary:累計購買金額)

【経営戦略とシステム戦略】第4次産業革命とテクノロジー

第4次産業革命

第4次産業革命は「インダストリー4.0」とも言われ、製造業におけるオートメーション化やデータ化・コンピュータ化を目指す昨今の状況を指しています。

モノのインターネット (IoT) 、クラウドコンピューティングなどが含まれます。

第4次産業革命に必要なテクノロジーには以下のようなものがあります。

・IoT

IoTとは、Internet of Thingsのことで、前述の「モノのインターネット」を指す言葉です。

センサーや機器をインターネットに接続し、リアルタイムでデータを収集・分析・共有する技術などがこれに当たります。

・AI

AIとはartificial intelligenceのことで、機械が人間の知能を模倣し、学習・推論・判断などを行う技術を指します。

chatGPTなど私たちの生活に馴染み深いものもあり、その存在が注目されています。

製造の現場では特に生産プロセスの最適化や品質管理に役立てられています。

・ビッグデータ

ビッグデータとは、IoTやAIを活用して収集された膨大なデータを高速で処理・分析する技術で、効率的な意思決定などに役立つとされています。

【経営戦略とシステム戦略】まとめ

「経営戦略」「システム戦略」の学習は、試験対策としてだけでなく、実務でも役立つビジネス知識を得ることができます。

またこのストラテジ系後半の出題範囲には、AIやIoTなどのように企業活動や製造の現場だけでなく私たちの日常にも浸透している言葉も多くあります。

学習の対象としてはもちろん、出題される内容が日頃の私たちの生活ではどのように活かされているかを考えることで、より理解度も深まるのではないでしょうか。

ぜひ興味を持って、ストラテジ系の学習を進めていきましょう。

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