資格図鑑/営業職×資格①<基本情報技術者>
営業職は、モノやサービスを提案する、どんな企業にも欠かせないポジション。その形態は進化しインサイドセールスやカスタマーサクセスなど様々な形に分岐してこそいますが、今も昔も人気の花形職種です。
さて、営業職といえば専門職と異なり「資格は不要」というイメージを持っている方も多いのではないでしょうか。確かに、営業職はどちらかというと経験重視で、資格が必須という話はあまり耳にしません。
一方で、必須ではないものの「営業職が取得しておくと便利」な資格もあります。今後シリーズでいくつかご紹介しますが、今日はその中の一つ、「基本情報技術者」についてご紹介します。
基本情報技術者とはどんな資格?
基本情報技術者試験とは、FE(Fundamental Information Technology Engineer Examination)のこと。ITの知識・技術に関するものの中で、一番基礎的な国家資格です。そのため、ITエンジニアとしてのキャリアをスタートさせるために取得しておきたい資格とも言われています。この資格を取得してITの基礎を固めておくことで、様々な応用力も身につき、その後のキャリアパスも描きやすくなるからです。対象者像は『高度IT人材となるために必要な基本的知識・技能をもち、実践的な活用能力を身に付けた者』とされ、まさにこれからエンジニアやIT事業従事者としてデビューしようという若手の人におすすめの資格です。
でもなぜ、基本情報技術者×営業職なの?
ここまでだと、「営業職ではなく、ITエンジニア向けの資格なのでは?」と思われがちなこの資格。しかし、基本情報技術者は必ずしもITエンジニアに限定した資格というわけではなく、前項の通り対象者はITに関わり、なおかつワンランク上の知識と技術を身に付けたいという人も取得可能な、間口の広い資格です。つまり、エンジニアだけでなく主にSaasビジネスなどの無形商材の営業職の方にもおすすめなのです。自社サービス(例外的に、IoTの場合はモノ)を売りこむ際、いくら商材に詳しくても、ITの仕組みが分かっていなければあまり意味がありません。営業はクライアント先の、様々なポジションの人と話す可能性があります。現場担当者、決済者、責任者…。そういった時に基本情報技術者の勉強をしておけば、主に現場担当者(ex:エンジニア)などの、実際に手を動かして業務を行っている人の目線で話を進めることができます。また、もし、現場担当者が直接決済者や責任者に「これは便利なサービス(商品)ですよ」と話してくれれば、提案やアップセルもしやすくなります。
このように資格があることで、採用云々よりその次の段階…入社してからの実務面で非常に役立つケースが多くあります。資格は「専門知識について勉強をしており、その分野の知識がある」という、強力なエビデンスです。口頭で「●●の勉強を〜年していて…」と話すより、バシッと「基本情報技術者の資格を取得しています」と伝えた方が、説得力があるのは明白ですよね。
働く上においては「資格があることで採用に有利になる」という考え方もありますが、「資格があることで入社後にこんな活躍ができる」という考え方をするのが良いです。なぜかというと、前者は「内定をゴール」に設定してしまっているためです。内定はむしろスタートライン。この場合の資格は「切り札」ではなく、その後のキャリアパスを描きやすくする「ツール」と考えましょう。昨今の新型コロナウイルス感染症の影響で、転職のハードルはじわじわと上がっている傾向にありますが、企業が欲しい人材は基本的に「入社後活躍してくれる人」ということは以前から変わりません。先々のキャリアパスを描き、その上で必要な資格を取得するなどして、内定がゴールにならないキャリアの設計をしましょう。
基本情報技術者の資格を取得するには?
さて、ここからは基本情報技術者の資格取得についてです。基本情報技術者は、春・秋の年2回に受験するチャンスがあります(例外的に、令和2年春季は中止となりました)。
基本的に春季は概ね1〜2月に受付・4月第3日曜日が受験日、秋季は7〜8月に受付、10月第3日曜日が受験日というスケジュールです。合格すると、経済産業大臣署名の合格証書が交付されます。出題範囲は情報処理推進機構の試験要項のページにまとめられているので、参考にしてみましょう。
IT営業職にはぜひおすすめしたい資格!
基本情報技術者は、ぜひIT営業職の方におすすめしたい資格です。一般的な「ITパスポート」も良いですが、基本情報技術者はもう一歩踏み込んだ内容となっており、取得しておけば現場の方にも一目置かれたり、提案が一層スムーズになるかもしれません。資格取得に悩んだら、こちらに挑戦してみるのはいかがでしょうか。
参考:IPA 情報処理推進機構
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