ITパスポートの世界③:「開発技術」「マネジメント」 〜プロジェクトマネジメント・サービスマネジメント〜
前回まではITパスポート試験の「ストラテジ系」についてご紹介しました。
今回は「マネジメント系」を詳しく掘り下げていきます。
ストラテジ系より一層ITの本質に迫る項目となるので、しっかり学習しましょう。
それでは早速、詳しく見ていきましょう。
【マネジメント系】開発プロセスとは何か
システム開発
システムを動かすため必要なハードウェアを調達し、必要な機能を兼ね備えたソフトウェアを作成することをシステム開発と呼びます。
システム開発のプロセス
システム開発には「開発プロセス」という流れがあります。
要件定義に始まり、設計、プログラミング、テストを経て導入(運用)となります。
システム要件定義
システムに必要な条件を決める工程のことです。どんなシステムを作るのか、システム開発に関わる全ての人々の目指すものを明確にする場で、システムに必要な機能や性能(システム要件)を決め、認識のズレをなくす目的があります。
◆機能要件
そのシステムの主な目的。
ユーザと開発者が相談して明確になった、
ユーザが欲しい機能。
データ項目の洗い出しや処理内容など。
◆非機能要件
ユーザが開発者と相談した中では出てこない、
システムに必要な性能。
信頼性や保守性、可用性(壊れにくさ)など。
品質特性
ソフトウェアの品質を評価する基準。
①機能性 必要な機能の実装度合
②信頼性 機能が正常に動き続ける度合
③使用性 使いやすさの度合
④効率性 目的のために使用する資源の度合
⑤保守性 保守作業のしやすさの度合
⑥移植性 別の環境へ移行した場合、そのまま動作するのかの度合
ソフトウェアライフサイクルプロセス(SLCP)
ソフトウェアの作成に必要な作業項目を一連の流れにして、規定した共通の枠組みのこと。
「企画」「要件定義」「開発」「運用」「保守」の5つのプロセスから構成されています。
【マネジメント系】プロジェクトマネジメント
プロジェクト
複数の業務の集合で、期限内に1つの目標を達成する、
一回限りの業務を指します。
<特徴>
・目標達成までの期限が決められている(有期性)
・独自の製品やサービスなどを成果物とする(独自性)
(例)スカイツリーの建設、月面着陸計画など
プロジェクトマネジメント
プロジェクトを管理する人、つまりプロジェクトマネージャが行う仕事で、「作業範囲」「期限」「費用」の3つの調整をしてプロジェクトを成功させるべく管理すること。
3つの制約
上記の通りプロジェクトマネジメントにおいては、3つの制約があります。
①スコープ(作業範囲)
②スケジュール(期限)
③コスト(費用)
プロジェクトの過程は、何か一つの制約を変更するともう一つ・もしくは二つの制約も変更することになります。
例えばクライアントから機能追加の要求があり作業範囲が増えた場合(スコープ)、締め切りを延ばす(スケジュール)か、作業人数を増やす(コスト)というような例が挙げられます。
【マネジメント系】サービスマネジメント
サービスマネジメント
利用者に対するサービスを改善・維持する活動をサービスマネジメントと呼びます。
システムを納品して終わりではなく、サービスレベル(ユーザに対するサービスの品質)を維持・改善していく必要があります。
サービスレベル管理は、SLMと略されます。(Service Level Management)
【マネジメント系】システム監査
システム監査
会社が使用している情報システムにおいてリスクに対するコントロールが適切に整備・運用されているか、信頼性は維持できているか、独立した第三者が評価すること(「監査人は独立した第三者であるべき」という決まりがあり、監査の公平性や客観性を保つため、被監査部門と利害関係がない者が監査する)。
内部統制
社内すべての人が業務を健全化すること。
内部統制の整備と運用に責任を持つのは経営者。
コーポレートガバナンスを実現するための手段でもあります。
【マネジメント系】まとめ
「マネジメント系」の学習では、ストラテジ系よりさらに具体的にITの世界に触れていくことになります。
項目としてはストラテジ系・テクノロジ系よりボリュームが少なく出題数も少ないですが、重要な用語が多くあるのでしっかりと覚えていきましょう。
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