独立・起業を見据えた転職をどう考えるべき?ー転職お悩み相談室ー
転職活動やキャリアについての悩みや疑問に、現役キャリアアドバイザーが答える「転職お悩み相談室」。今回は29歳・起業を目指している女性からのお悩み相談です。
法人営業・女性(29歳)のお悩み
セールステック系ベンチャーで法人営業を中心に幅広い業務を担当しています。学生の頃から独立志向が強く、ゆくゆくは起業するのが目標です。
多忙ながらも裁量の大きい仕事ができる現在の環境は学びが多く、やりがいもあります。しかしながら、残業や休日出勤を度々強いられるにも関わらず、業務量に見合った収入は得られないこと、未知の領域にチャレンジしてさらに見識を広げたいことなどから、転職活動を始めました。
営業としての実績や新規事業立ち上げの経験など、定量的にアピールできる材料があるせいか、大手企業からインサイドセールスやカスタマーサクセスにて好条件のオファーを多くいただいています。うれしい反面、大手ならではの分業制の仕事に従事することへの違和感もあります。
大手企業勤務だからこそ享受できる条件のよさで割り切るべきか。それとも経営視点が得られるベンチャーを選び、人脈を広げながら学ぶべきか。将来の起業を見据えた転職を、どのように考えればよいでしょうか。
転職のプロからのキャリアアドバイス
1. ベンチャーでの学びの多さに注目
ベンチャー企業で働く最大のメリットは、部署や担当領域の垣根を超えた仕事ができること。起業を志す社員が多くいる環境なら、さらによい影響を受けられそうです。
一方、大手は安定した働き方が叶うことが魅力。分業体制が確立されており、より専門的なスキルを磨くことができます。
起業を見据えてサービス開発や企画、マーケティングの経験を積みたいとお考えなのであれば、大手よりも業務範囲の広いベンチャーを選択するほうがよいでしょう。ただし、現職同様に、業務量に見合う収入は望めないかもしれません。
2. 大手+ベンチャーの「いいとこどり」も検討して
近年は社員の副業を認めている大手企業が増えています。大手ならではの福利厚生の手厚さや条件のよさを利用しつつ、副業でベンチャーの仕事を請け、起業に必要な力をつけていくという方法もあります。
また、社内起業制度のある会社への転職もおすすめ。社内ベンチャーなら資金や設備面などで会社の力を利用しつつ、最小限のリスクで起業にチャレンジできます。
働き方が多様化している今の時代だからこその選択肢も、ぜひ考えてみてください。
3. 仕事に求めるものは何か?改めて整理を
ご質問内容で気になったのは、大手の待遇に魅力を感じておられる点です。転職したい本当の理由は、起業準備とは関係なく、現職の業務量や待遇面への不満にあるようにもお見受けします。
自分が仕事に求めているものは何なのか?今何を選択すべきなのか?自分ひとりで考えてもうまく整理がつかないものです。
転職エージェントのキャリア面談を活用して、今一度転職の方向性を整理してみてはいかがでしょうか。起業を見据えた転職のご相談も歓迎しますよ。