日々の暮らしや仕事でIT用語に触れる機会が増えました。しかしその多くが難しい言葉だったり、ネットで調べてもいまいちよくわからなかったり、ということはありませんか?このシリーズではそういったお悩みや疑問にお答えすべく、できるだけシンプルに、身近な例などを用いながら、IT用語を解説していきます。

シリーズ第四回目の今回は、少し視点を変えて「Webマーケティング」という言葉、そしてそのポジションを深く知る内容を綴っています。

【Webマーケティング】Webマーケターの仕事

Webマーケティングという言葉を、求人サイトなどでも非常に多く見かけるようになりました。皆さんは、Webマーケティングという仕事が、どのようなものかご存じでしょうか?

Webマーケターの仕事は、厳密に言うと企業ごとによってまちまちです。マーケターが幅広くWeb関連の業務全てを担当していることもあれば、ある特定の分野(アクセス解析など)だけを担当しているなど、企業の規模感や従業員数、体制によって異なります。そのため、ここでは一般的な「Webマーケティング」について記載します。

さて、Webマーケティングの多くは経験者採用ですが、最近は未経験可という場合もあります。華やかな名前の響きから、特に女性に人気のポジションです。

とはいえ全く知識がないままでは、入社後に研修があるとしても覚えることが多く苦労してしまうでしょう。事前に少しでもWebマーケティングの世界を勉強しておけば、そういった心配も少し軽減できます。「難しい用語ばかりでわからない!」と深くは理解ができなくとも、大まかな業務イメージは持つことができるので、少しでも予備知識を持っておくのはおすすめです。選考時にも、独学しているという姿勢は一つのアピールポイントになります。

まずは、Webマーケティングに必要な考え方を身につけていくところから始めましょう。

【Webマーケティング】Webマーケターに必要な考え方

Webマーケティングは、一般的に以下のようなプロセスが一つの成果となります。

  1. CV(コンバージョン=目標達成)までのプロセスを定める
  2. 集客をする(ex:広告運用やSEOなど)
  3. ユーザーに体験させる(ex;コラムを読ませる、動画を見せるなど)
  4. CVさせる

つまり、Webサイトを運営しているだけではWebマーケティングとは言えず、成果につなげて初めて「Webマーケティング」と定義することができ、またWebマーケターのKPIおよび成果としても加味されるのです。

「営業職と違って数字を追わなくて良さそう」というイメージを持っていたら、入社後大きなギャップに悩むことになるかもしれません。また、「Webマーケティング」という華やかな名称の一方で、実際には仮説を立て検証・効果測定を繰り返す地道な作業がメインであることを理解しておきましょう。

【Webマーケティング】Webマーケティングの作業を紐解いてみよう

1.CV(コンバージョン=目標達成)までのプロセスを定める

Webマーケティングでまず起点となるのは、「CVへのプロセスを定める」ということです。

CVとは「コンバージョン」、つまり目標達成を意味します。例えばEC(=通販)サイトであれば購入、他にもLP(=ランディングページ)の種類によっては資料請求や応募もCVになり得るなど、サイトごとにCVの定義は異なります。さまざまなCVがありますが、Webマーケターは、「CVに向けてどのような仕掛けを作り、サイトに誘導し、ユーザーの意欲を喚起させ、CVへと繋げるのか」というプロセスの定義をしていきます。もちろん、プロセスの定義は感覚値だけでは成立しません。仮説を立てるにも、過去のデータや、それがない場合は類似したサービス・商品を扱うサイトを参考にするなど、情報収集力と分析力が要となります。裏付けを十分にした上で、CVまでのいわばストーリー作りをするのが、Webマーケティングの起点になります。

2.集客をする(ex:広告運用やSEOなど)

CVまでのシナリオが描けたら、次は施策を実装します。具体的にはWeb広告の運用や、SEO対策などです。Web広告はリスティング広告やバナー広告をはじめ、各種SNSでも基本的に有料で出稿が可能です。SEOとは「Search Engine Optimization」の略で、直訳すると「検索エンジン最適化」を指します。その名の通り検索エンジンを利用したWebマーケティング手段の一つです。適切なSEO対策を行うと、自社サイトを検索エンジンの上位に表示させることが可能となり、ユーザーの認知度や信頼度を向上させ、間接的にCVに繋げることができます。

Web広告とSEO対策は、「いずれか自社に合ったもの(特にWeb広告だけ)をすれば完璧」というものではありません。可能であればどちらも行うことで、一層CVに繋がりやすい状況を作ることができます。

まずベースになるのはSEO。SEOは、サイトの質を向上させる(有益なコンテンツ…関連するコラムや動画、情報などを盛りこむ)ことで対策が可能となります。効果が現れるまでに若干の時間を要しますが、基本的には無料で自社サイトの見直しができる対策なので、ぜひ実施すべきです。あわせてWeb広告も実施するとより効果的ですが、冒頭で述べた通りWeb広告だけに頼ってSEO対策を怠ってしまうと、せっかくの広告も効果が発揮できません。常に広告が上位表示されているなら良いのですが、必ずしも良い表示位置を獲得できるとは限りませんし、広告の出稿を中止することになった場合にSEO対策ができていないと、サイトは一気にユーザーの目の届かない場所に埋もれてしまいます。

さらに、大半のWeb広告はリンク先のサイトが高品質であるほど、広告としてのランクも高くなり、継続することでCPC(クリック単価)を抑えることができ、結果として効果的なWeb広告運用が期待できます。もちろん、Web広告の判定システムとSEOを判定するクローラー(巡回ロボ)は同一ではないため、SEO対策がそのままWeb広告対策になるわけではありませんが、SEO対策はWeb広告の出稿に多少なりとも影響を与えているのです。

まずはSEO、予算が取れるようならWeb広告。この2つはぜひ両軸で意識し、集客をしていきたいところです。

3.ユーザーに体験させる(ex;コラムを読ませる、動画を見せるなど)

集客に成功しても、サービスや商品に魅力を感じず、ユーザーがサイトの閲覧を中止してしまっては非常にもったいないですね。これを「離脱」と呼びます。

Webマーケターはユーザーの離脱を起こさないため、サイト内にさまざまな工夫を実装していく必要があります。例えばサイト内で、サービス(商品)に関連したコラムを読ませたり、使用感を明らかにした動画を見せたり、あるいは他のユーザーの声を届けたり…。サイト内でサービス(商品)に関する、可能な限りポジティブな体験をユーザーにしてもらうよう、コンテンツは2.の段階で充実させておきます。また、実際にユーザーの離脱を起こしてしまった時は、サイト内のどのページで離脱したのかというデータを取る必要があります。そして離脱したページには別の工夫を凝らし、CVにつながるように改善します。

また、ユーザーはサービス(商品)へのポジティブな体験をしても、サイト自体が著しくわかりにくい、表示が遅い、購入(申し込み)ボタンがどこにあるかわからないなどのネガティブな体験で離脱することもあります。そのため、こうしたサイトの機能も加味しながら、離脱の分析を進めていきます。

ユーザーがする体験はUX(=ユーザー・エクスペリエンス)と呼ばれ、Webの世界ではこのUXをどれだけ充実したものにするか(Webを通して体験する、サービスおよび商品の魅力、サイトの使いやすさなど含めて全て)が、CVに大きく関与するとされています。

4.CVさせる

サービス(商品)そのものや、それに付随するWebのあらゆる導線をブラッシュアップすることで、CVは生まれます。もちろんCVしたからといってそこでWebマーケターの仕事は終わりではありません。より多くのCVを生み出すため、手順1.2.3.の効果検証と仮説立てをし、このサイクルを繰り返すというのが、Webマーケティングの基本となっています。

【Webマーケティング】未経験からWebマーケターになるには?

冒頭でお伝えした通り、未経験からWebマーケターになることは十分可能です。そのためにはWebマーケティングの基本的なプロセスの他、今回出てきた「CV」「LP」「SEO」などの用語も、ぜひ頭に入れておきましょう。

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