最終学歴が高卒の人の中には、公務員を目指す人もいます。
特に、警察官は公務員試験の難易度が低いため、目指す人は多いです。
応募できる年齢の幅も広いため、民間企業で働いた後に警察官に転職する人もいます。
ちなみに、私は新潟県警察の高校卒業程度区分の試験に合格したことがあります。
私が公務員試験に向けて取り組んだこと、警察の採用面接など実体験を交えてご紹介します。
また、警察官の年収や給料の情報も調べましたので、転職の参考にしてください。
それでは、さっそく見ていきましょう(^^)
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警察官のほとんどは地方公務員
警察官は地方公務員がほとんどです。
国家公務員の警察は、いわゆるキャリア組と言われる人たちで、ごく一部の大卒以上の人しかなれません。
※踊る大捜査線で言う室井さん(柳葉敏郎さん)の役職です。
地方公務員の警察の募集区分は、
- Ⅰ類(大卒程度)
- Ⅱ類(短大卒程度)
- Ⅲ類(高卒程度)
の3種類に分かれています。
ちなみに、「Ⅰ類は大卒しか応募できない、Ⅱ類は短大卒しか応募できない」という意味ではありません。
あくまでも学力の目安として3種類に分かれているだけなので、高卒の人でもⅠ類を受験することはできます。
※ただし、都道府県によっては受験できないところもあります。
Ⅰ類やⅡ類は試験内容がⅢ類より難しいですが、初任給が高いというメリットがあります。
都道府県によりますが、Ⅰ類とⅢ類の初任給は3~4万円違います。
警察官の出世
警察官は昇任試験に合格することで出世します。
大手企業と違い、学歴による昇格の差はありません。
高卒でも昇任試験にスムーズに合格すれば、大卒(Ⅰ類)の給料を超すこともあります。
また、警察官の世界は「警察官になった年が早い人が先輩」になります。
そのため、高卒から警察官になった場合でも、後から入ってきた大卒の警察官は後輩になります。
学歴が関係ないのが警察官の特徴です。
警察官の採用倍率
警察官の採用倍率は都道府県によって違いますが、警視庁のホームページにⅢ類の警察官試験の採用倍率が記載されています。
平成29年の採用倍率は、
- 男性警察官:6.5倍
- 女性警察官:7.2倍
となっています。
引用元:警視庁「採用案内(警察官)」
「警察官は採用倍率が低い」と言われるのですが、採用倍率を見ると「6~7人のうち1人しか採用されない」ということがわかります。
決して「簡単に警察官になれる」というわけではありません。
警察官の募集要項
警視庁のホームページを見ると、警察官の募集要項が載っています。
Ⅲ類(高校卒業程度)の募集条件は、
- 35歳未満で高卒の人か、今年度に高校を卒業する見込みの人
- 17歳以上35歳未満で、高校卒業程度の学力のある人
です。
35歳までエントリーできるため、転職にも向きますね。
引用元:警視庁「採用案内(警察官)」
警察官の年収や給料
警察官の給料は都道府県によって違いますが、警視庁のホームページによると警察官の給料は、
- 採用1年目の給料:月給212,700円
- 地域手当:最大20%
- 扶養手当、住居手当、通勤手当、特殊勤務手当等あり
- ボーナス:4.5ヶ月分
となっています。
また、総務省の平成28年地方公務員給与実態調査から計算すると、平成28年の警察官の平均年収は約593万円となっています。
参考:総務省「平成28年地方公務員給与実態調査」
警察官の役職と昇給
警察官は年ごとの昇給もありますが、役職が上がることで年収が上がります。
警察官の役職は、
- 巡査
- 巡査部長
- 警部補
- 警部
- 警視
- 警視正
- 警視長
- 警視監
- 警視総監
という順序で昇進します。
ちなみに、地方公務員から目指せるのは警視までで、警視正からは身分が国家公務員に変わります。
ただし、警視まで出世できる人はごく一握りだけです。
高卒の警察官の勤続年数ごとの平均年収は、
- 1年未満:289万円
- 1年以上2年未満:300万円
- 2年以上3年未満:315万円
- 3年以上5年未満:338万円
- 5年以上7年未満:365万円
- 7年以上10年未満:399万円
- 10年以上15年未満:445万円
- 15年以上20年未満:525万円
- 20年以上25年未満:606万円
- 25年以上30年未満:650万円
- 30年以上35年未満:679万円
- 35年以上:695万円
となっています。
参考:総務省「平成28年地方公務員給与実態調査」
警察官の仕事内容
警察官の仕事には、大きく分けて8つの仕事があります。
それぞれの仕事内容を見ていきましょう。
地域警察
いわゆる「おまわりさん」です。
交番勤務やパトカー勤務で、パトロールや地域住民への防犯活動、職務質問による犯罪検挙、事件・事故発生時の初動警察活動、交番での地理案内や遺失届・拾得物の受理、各種相談の受付などを行う職務です。
交通警察
白バイ経験などは交通警察に当たります。
交通ルールを守ってもらうことで交通事故の未然防止に努めます。
車やバイクのスピード違反や飲酒運転といった交通違反の指導取締りや暴走族対策、交通事故・事件の捜査、交通安全教育による交通安全意識の浸透、信号制御や交通情報の提供による交通管制などの職務です。
刑事警察
いわゆる「刑事さん」です。
犯罪を捜査し、犯人を検挙して事件を解決する仕事です。
殺人や強盗、誘拐などの強行犯捜査をはじめ、振り込め詐欺や横領などの知能犯捜査、空き巣やひったくりなどの盗犯捜査、事件解決の証拠となる資料を収集する鑑識があります。
その他、証拠資料の分析・解析や科学捜査による鑑定を行う仕事です。
生活安全警察
身近な犯罪の検挙・未然防止をすることで、犯罪の起きにくい社会づくりをする仕事です。
振り込め詐欺やひったくりなどの犯罪に対する防犯対策、困りごとなどの生活安全相談、ヤミ金融などの経済事犯やサイバー犯罪の取締り、少年の非行防止や健全育成など、職務内容は広いです。
組織犯罪対策
暴力団や外国人犯罪組織、銃器・薬物の密輸・密売グル―プなど治安水準に大きな影響を及ぼす犯罪組織の壊滅が仕事です。
犯罪組織に関する情報の収集・分析の一元化を図りながら、組織の実態解明に努め、徹底した検挙活動、犯罪インフラの解体、犯罪収益の剝奪などを強力に推進することにより、社会の安全を脅かす犯罪組織の壊滅を目指します。
警備警察
テロや災害などの様々な脅威から人々を守るために、デモの整理などの治安警備、イベントでの混雑による事故を防ぐ雑踏警備、災害時における被災者の避難誘導や救助、天皇陛下・皇族、国内外の要人の警衛警護などにおいて、機動隊やSPなどの仕事です。
高卒で警察官になると、機動隊に配属される可能性が高いと言われています。
公安警察
国家のセキュリティ分野の仕事です。
国際テロ組織、過激派、右翼などによるテロ、ゲリラを未然に防ぐ対策をはじめ、北朝鮮による拉致容疑事案や対日有害活動の取締りなども仕事です。
また、サイバー攻撃に対しては、関係部門と連携して解決と被害防止をする仕事です。
総務・警務
総務部門は、ITを活用して事務効率の向上、予算執行などの会計業務、物品や施設の管理、装備資器材の開発など、警察全体を支える仕事です。
警務部門は、職員の採用、人事、給与、福利厚生に関する事務や各種教養・訓練などの業務を行います。
引用元:警視長「職種紹介」
警察官の公務員試験の難易度
警察官になるためには、警察官の公務員試験に合格する必要があります。
私が公務員の勉強をしていたときは、1日8時間の勉強を1年以上続けました。
それくらい勉強しないと公務員や警察官にはなれません。
1日8時間勉強するということは、フルタイムの仕事をしながら勉強するのは無理です。
そのため、仕事を辞めて公務員浪人になって勉強する必要があります。
警察官・公務員を目指す場合の最大の障壁は、この勉強期間と言っていいでしょう。
「1日8時間の勉強を1年以上続けてまで警察官になりたいか?」が焦点です。
「そんなに勉強しなきゃいけないの…?」と迷う人は、悪いことは言わないので警察官や公務員になるのはやめておきましょう。
警察官は危険職のため、他の公務員に比べると人気は低いです。
しかし、大して勉強をせずになれるほど甘い試験ではありません。
1日8時間の勉強を1年以上続けた人にとっては低い難易度ですが、準備を怠った人には高い難易度の試験を言えます。
前述のとおり、採用倍率は6~7倍ありますので、5~6人は不採用です。
公務員浪人をするデメリット
警察官に限らず、公務員試験に合格するには1日8時間の勉強を1年以上続ける必要があります。
前述のとおり、仕事をしながら合格できるほど甘い試験ではないため、仕事をやめて勉強に集中する必要があります。
もし、公務員試験に不採用になった場合はブランク期間ができてしまい、転職は不利になります。
公務員になることをあきらめてしまうと「ブランク期間があって、公務員にもなれなかった人」となってしまうため、民間企業への転職はかなり不利になります。
公務員を目指すからには、絶対に公務員になる覚悟が必要です。
その自信がない人は、民間企業に就職・転職しましょう。
民間企業であれば、すぐに就職・転職できる可能性が高いです。
警察官の試験内容
試験は1次試験と2次試験があります。
1次試験の内容は、
- 筆記試験:国数英社理の5科目と時事問題
- 小論文:当日発表されるテーマに従って小論文試験
- 身体測定:身長、体重、視力、聴力、色覚などの身体検査
があります。
2次試験の内容は、
- 面接
- 体力テスト
です。
体力テストは簡単なものです。
ランニング、腕立て、腹筋、背筋、ジャンプなど基礎的な運動能力を見られます。
警察官試験の鬼門は、2次試験の面接です。
私が警察の面接を受けたときは、かなり圧迫面接でした。
取り調べのような感覚でしたね…。
- 「なぜ警察になりたいの?」
- 「それ、ほんと?」
- 「別に警察じゃなくてもいいんじゃない?」
と、けっこうな圧力で深掘り質問されます。
どうしても警察官になりたい人は、面接対策を万全にしておきましょう。
警察の面接が厳しいのは理由があるんです。
それは「警察の仕事は本当に大変だから」なんです。
つまり、面接では「本気度」を見ているのです。
では、警察の仕事の大変なこととは何なのでしょうか?
警察官の仕事の大変なところ
「安定している」という理由で公務員を目指す人は多いです。
警察官もたしかにお給料は安定していますが、「安定しているから」という理由だけで警察官を目指すのは甘いです。
警察の方々はとても大変な仕事をしています。
ヤクザとも戦わなければならない
20代前半の警察官であっても、ヤクザと戦うことがあります。
一般的なお仕事をしている人で「ヤクザと戦う」という業務はあり得ません。
映画やドラマでヤクザを見たことがある人は多いですが、本物を見たことがある人は少ないと思います。
警察官は本物とやりあわなければならないことがあります。
警察官という立場である以上、ひるんではいけません、引き下がってもいけません。
警察の威厳にかけて、ときには命がけで仕事をする必要があります。
例え相手がナイフを持っていようが、拳銃を持っていようが、警察官は逃げることは許されません。
警察官には「殉職」という言葉がありますが、職務中に命を落とす警察官もいます。
危険職である以上仕方のないことですが、もしものときに命を張れる覚悟が必要です。
その覚悟がない人は警察官はおすすめできません。
酔っぱらいやクレーマーと戦わなければならない
警察官は、質の悪い酔っぱらいとまともに付き合わなければいけません。
罵声を浴びせられることなんてしょっちゅうです。
人格否定もしょっちゅうです。
スピード違反の車をつかまえれば、ものすごい睨まれます。
「悪いのはあなたの方でしょ…?」と思っても、つかまえた相手は怒り心頭です。
暴言を吐かれることもあります。
理不尽なことばかりなのも警察官の辛いところです。
公務員は労働基準法が適用されない
意外と知られていませんが、公務員は労働基準法適用外です。
※そもそも、労働基準法とは民間企業の従業員さんを守るための法律です。
そのため、緊急時や有事のときは休んでいる場合ではありません。
市民の安全を守ることが仕事ですから、何かあったときは連続勤務になることもあります。
ホワイト企業を求めて就職・転職する人は多いですが、公務員は甘くありません。
それくらい、公務員の方々は私たち市民のために日々懸命に働いてくれているのです。
「公務員=楽」と勘違いされていることも多いですが、大きな間違いです。
まとめ
最終学歴が高卒の人で警察官を目指す人は多いです。
給料も安定していますし、昇給もあります。
ですが、警察官を目指すなら、
- 警察官になるには公務員試験に合格する必要がある
- 警察官は大変な仕事
ということを知っておきましょう。
本当に覚悟ができる人だけが警察官を目指しましょう。
警察官はとても覚悟がいる仕事ですし、公務員試験に受からなかったら民間企業への転職は不利になってしまいます。
あなたの就職・転職活動のヒントになればうれしいです(^^)