選考の結果、企業から「内々定」をもらったー…
嬉しい瞬間ですが、「内定」と「内々定」は何が違うのでしょうか?
どちらも転職活動をしていると耳にする言葉で、しかもよく似ています。
この2つ、実は厳密にいうと異なるものなので、注意が必要です。
今回は、「内定」と「内々定」の違いを見ていきましょう。
【ビジネス用語】「内定」と「内々定」の違いは?
内定:法的拘束力がある・原則取り消し不可・正式な労働契約
内々定:法的拘束力はない・企業側の意思で取り消し可能・正式な契約ではない
実は「内々定」とは、いわゆる「仮の内定」のようなもの。
内定が法的拘束力があり取り消し不可なのに対し、内々定は法的拘束力がなく取り消しができる仮契約なのです。
【ビジネス用語】内定とは、どんな状態のこと?
「内定」とは、一般的には求職者が企業から採用通知の書面を受け取り、求職者が企業に入社承諾書を提出することにより、労働契約が成立した状態を指します。
この時既に、法的拘束力が発生しています。
つまり、基本的に以下の理由以外では、企業側の都合で取り消すことができません。
- 内定した者が犯罪を犯した
- 内定した者が経歴詐称が発覚した
- 内定した者が健康上の理由等で想定していた勤務が困難になった
- その他、企業の経営の著しい業績悪化などやむを得ない理由
- 自然災害などで企業に大きな損失が生じ経営困難になった場合
内定の取り消しが可能なのは、基本的に上記のような「やむを得ない場合」に限られます。
しかし、昨今のコロナ禍では経営困難により内定が取り消しになるケースも多く発生しており、問題になっています。
【ビジネス用語】内々定とは、どんな状態のこと?
内々定とは、内定とほぼ同じ意味(=採用を決めた状態)ではあるのですが、書面などの具体的な労働契約を取り交わしていない状態を指します。
いわゆる口約束という状態です。
例えば、このようなものが内々定に当たります。
- 面接で「来月から働いてください」と言われたが、書面はまだ交わしていない。
- 内定通知の電話が来たが、書面はまだ交わしていない。
「取り消し可能なもの」というよりは、内定への準備を進めており、取り急ぎ何らかの形で通知したという、内定の1段階前というイメージです。
内々定でも油断をしない!いつどこで見られても恥ずかしくない振る舞いを
「内々定」でも出した以上、取り消す企業は少ないですが、正式な契約ではないので念のための注意が必要です。
「内々定(電話での内定通知・面接での口約束のみ)が出たので、もう今の職場はやめてしまおう!」とすぐに退職の手続きをすると、万が一のことがあった場合、経歴にブランクを生むことになってしまいます。
しっかり「内定」の状態になってから、今の職場に退職の申し出をするようにしましょう。
また、「内定」が出たからと言って、油断したり不真面目な態度をとるのはもってのほかです。
いつどこで、誰に見られても良い、きちんとした振る舞いを公私共に心がけましょう。
- 内定は正式な労働契約、内々定は口約束
- どちらもほぼ取り消されることはないが、例外もある(特に内々定)
- 志望企業が内定になってから、現職場に退職を申し出るのがスムーズ
契約ごとにおいて、書面は重要なエビデンス(証拠)になります。
逆に、書面がないと正式な契約とは言えません。
冷静に書面での契約を交わしてから、次のステップに進むようにしましょう。