【転職ノウハウ】知っておきたい「退職」のマナーとは?

志望企業から内定が出た瞬間は、本当に嬉しいもの。

転職先の企業とのやり取りや、近しい人への報告で、頭がいっぱいになってしまいがち。

ですが、もし転職先が決まったら、なるべく早く現在の職場に退職の意思を伝えなくてはなりません。

「退職の意思を伝えるって、どうすればいいの?」

「角が立たないようにしたいけど…」

「引き止められたらどうしよう…」

退職する時に不安はつきものですが、これを読めば大丈夫です!

今回は「退職のマナー」について見ていきます。

退職の意思を伝える(場合によっては退職願の提出)

転職が決まったら、現在の職場になるべく早く、退職の意思を伝えなくてはなりません。

できるだけ早めに、上司や社長に伝えましょう。

場合によっては「退職願」の提出をします。

退職の手順①直属の上司に伝える

気をつけたいのが 「退職の意思を、まず一番に誰に伝えるか」の部分。

退職の旨を一番に伝えるべきは、直属の上司です。

上司に言う前に同僚に話すのは避けましょう。

噂になって間接的に上司の耳に入るのが、最も避けたいパターンです。

直属の上司は最も近い存在。

その人を飛ばして周囲に「転職するんだ〜」と話すのは、マナー違反です。

「なぜ、まず自分に伝えてくれなかったんだろう?」と感じさせてしまいます。

退職までの日を気まずく過ごすのは、誰だって嫌ですよね。

転職が決まった直後は、新しい未来への期待で、軽はずみな行動に繋がりやすいもの。

行動や言動に十分に注意しましょう。

同様に、SNSで「転職します!」と発信するのもNGです(匿名アカウントでも万が一のトラブル回避のためにやめましょう)。

退職の話題は、非常にデリケートなものです。

必要な内容を必要な人に。

これが鉄則です。

退職の手順②退職日を決めて、はっきり伝える

いつまでに退職するかの明確な日を決めておきましょう。

曖昧な言い方ではなく、「●月●日をもって退職いたします」と、退職の意思をはっきり伝えましょう

「退職したいんですけど…」のような曖昧な言葉だと、退職に対して迷いがあるともとられてしまうからです。

この伝え方では、「まだ迷ってるんだろ?少し考えてくれよ」と、引き止められてしまうかもしれません。

そのため、「もう決めました」とはっきり伝える必要があります。

退職の手順③退職理由は前向きに

「なぜ退職するのか?」と聞かれた時、きちんと答えられる自信はありますか?

退職を告げれば、ほぼ100%その理由を聞かれます。

退職の理由を求められても、口ごもらないようにしましょう。

理由はなるべく正直に伝えるのが良いですが、在職中の会社の悪口にならないようにします。

「人間関係が悪いからです」「環境が悪いからです」

こうした退職の理由は、たとえ事実だったとしても口にするのは避けましょう。

あなたが退職しても、上司はその会社に残るわけです。

その会社の悪口を言うのは、マナー違反です。

また、悪い点を伝えると「改善するから退職しないでくれ」と、こちらもまた引き止められてしまう理由になりかねません。

「他にやりたいことがある」「挑戦したいことがある」など、こちらもはっきりと言えるようにしておきます。

退職の手順④早速伝えよう!でも、いつまでに?

退職日の何日前までに申し出なければならないのかは、法律上で原則退職日の14日前までと決められています。

原則として民法第627条第1項により14日後に労働契約の解除(解約)となる。ただし月給制においては民法第627条第2項により、月の前半に退職を申し出た場合は当月末に、月の後半に退職を申し出た場合は翌月末に、退職は成立する。また年俸制のような「6か月以上の期間をもって報酬を定めた雇用契約」においては民法第627条第3項により、3か月後に退職が成立する。
出典:自己都合退職 – Wikipedia

しかし、会社によって就業規則がある場合があります。

もちろん、就業規則より法律が優先されますが、就業規則がある場合は基本的にそちらに従いましょう。

もめないスムーズな退職のために、就業規則を事前に確認しておきましょう。

また、法律にも記載があるように、

月給制の場合は、月の前半の申し出:当月末に退職可能月の後半の申し出:翌月末に退職可能となります。

もし12月14日の申し出なら12月31日に、12月15日なら1月31日から退職が可能になります。

1日申し出るのが遅れると、退職のタイミングが大幅にずれる場合があるので、注意しましょう。

退職のタイミングを見誤ると次の転職先にも迷惑がかかってしまいます。

必ず、スケジュール管理を行いましょう。

退職届を提出する

意思を伝えるのはもちろんですが、基本的にはこの「退職届」がエビデンスとして必要になります。

フォーマットは会社指定のものを使う場合もありますが、下に記載例を用意しました。

自由と言われた場合でも、最低限下記の情報は盛り込みましょう。

  1. 書き出し:書き出しは私事、私儀、(読み:わたくしぎ)で始めます。句読点を忘れずに。
  2. 退職理由:自己都合退職の場合は、「一身上の都合」です。
  3. 退職日:西暦でも元号でもOK。上司に伝えた(相談して決めた)日を記入します。
  4. 文末:「退職いたします」と結びます。
  5. 届出年月日:書面を提出する日付を記入します。
  6. 所属部署・氏名:宛名より下の位置に所属と名前を記入し、名前の下に捺印します。
  7. 宛名:最高執行責任者の役職と名前を書きます。(代表取締役社長などが一般的です。)敬称は「殿」または「様」で。

※これはあくまで参考例です。会社指定のテンプレートがあれば、それに従いましょう。

退職するときは、スケジュールにも気持ちにも余裕を持って

その他、退職に関して重要なことは、仕事の引き継ぎです。

自分が今までしていた仕事を会社に残る人がするわけなので、引き継ぎを忘れないようにしましょう。

自分が退職した後、誰もその案件について知らないということが無いようにします。

退職した人に、連絡して聞くわけにはいかないですよね。

取引先へのご挨拶なども必要に応じて行いましょう。

退職日に職場に菓子折りなどを持参する場合は、きちんと人数分行き渡るように余裕をもって用意します。

また、惜しまれつつの転職は良いのですが、引きとめられてその場の雰囲気に流されてしまった(在職中の会社に残ることになってしまった)という話も、ないわけではありません。

そうなってしまった場合、内定先の企業にも迷惑がかかってしまいます。

転職は、実はとても大きなライフイベント。

そして、あなた自身の考えや気持ちがとても重要です。

退職に至った気持ちやそれぞれの条件、内定が出た時の喜びをもう一度振り返って、一時的な感情に流されず、ベストな選択をできるようにしましょう。