MAPグループでは20~30代の転職希望者に対し「お勤め先での『新型コロナウイルス対応』に関する調査」をテーマにアンケートを実施し、結果をまとめました。

【調査結果概要】
1)約7割が「会社はなんらかのコロナ対策を実施した」と回答
2)対策の有無による会社への満足度に大きな違い
3)約6割が「転職決意にコロナウイルスが影響」と回答

1)約7割が「会社はなんらかのコロナ対策を実施した」と回答


「現職企業ではコロナ対策として、新たな施策を導入(または導入予定)しましたか?」の質問では、「リモートワーク」が42%(63人)でトップ。約7割の企業が時差出勤や勤務時間、出勤日の短縮といった対策を実施した一方で、27%(40人)が「自社では何も対策がなされなかった」と回答ました。

2)対策の有無による会社への満足度に大きな違い

「会社が実施した施策に対する満足度を教えてください。」の質問に「不満」「とても不満」と答えた人の合計値をみてみると、質問(1)で「何らかの対策あり」と回答した人では27%にとどまりました。一方「対策なし」と回答した人の不満度は約2倍の60%となりました。

対策に満足と回答した人の中には、「フェイスシールドやアルコール、マスクの支給があった」(25歳女性)
、「自宅作業資金が支給された」(30歳男性)といった現物支給に対するポジティブな声があがりました。

対策がなされたにも関わらず不満と回答した人の中には、「上司次第で、シフト以外の日も出社を強要される」(29歳女性)、「現場社員はなにもないが、本社勤務の人は自由出勤」(31歳女性)など、不公平さに不満を持つ意見がみられました。

3)約6割が「転職にコロナウイルスが影響」と回答


「今回の転職は、コロナ禍の影響が関係していますか?」の質問では58%が影響があったと回答。「他の企業と比較して時差出勤の導入が遅かった。テレワークの導入がされなかった」(28歳男性)、「微熱を訴えている社員でも出勤させる風土があった」(23歳男性)など、会社のコロナ対策への不信感の他、「例年の倍以上忙しかったのにも関わらず、給料に一切反映されなかった」(24歳女性)、「人員を削減したことにより、業務負担が増えた」(25歳女性)など、コロナ禍における会社の体制が、中長期的なキャリアプランを見直すきっかけになったという意見もありました。

【統括】コロナ対策によって分かれる企業の明暗

新型コロナウイルス感染症の流行は、リモートワークや時差出勤など、働き方に大きな変化をもたらしました。

働き方がフレキシブルになり、労働環境の改善が進むなど良い変化もあった一方で、何も対策をしなかった企業や対策があっても不満といった意見も見られました。対策不足・遅れがすぐ離職に繋がるとはいえないものの、それらが会社への不満や不信感を募らせる結果にもなりかねません。今回、改めて各々の企業体質や非常時の対応力が浮き彫りになったといえるでしょう。

今回の調査により、新型コロナウイルスの影響による業績悪化の他、自社の対策不足(遅れ)による不満・不信感などが、転職への気持ちをかなり後押ししているという結果が見えてきました。対策を疎かにしてしまうと、現時点では様子見状態の社員が、新型コロナウイルス収束後に大量離職する危険性もあります。大切な人材の流出を防ぐため、非常時こそ企業努力が不可欠です。今一度、社員満足度を高める施策を考えることが必要なのではないでしょうか。(株式会社MAP リクルーティングアドバイザー・高木 健矢)


  • 調査内容  キャリア面談事前アンケート
  • 調査対象  MAPグループ転職支援サービス登録者の20~35歳
  • 有効回答数 150名(男性 66名 女性 84名)
  • 調査方法  面談時にアンケートフォームへの入力方式で実施
  • 調査期間  2020年7月22日~2020年9月16日
    ※本調査データを転載・引用する場合は(出典:株式会社MAP)の表記をお願いします。