MAPでは2020年6月からのパワハラ防止法施行を前に、20~30代の転職希望者男女に対し「職場でのハラスメント問題」に関するアンケートを実施しました。

 

【調査結果概要】

1)約半数が職場でのハラスメント被害、または目撃経験あり

2)パワハラ・モラハラ被害が多数

3)「被害に遭っても何も対応しなかった」16.5%

 

1)約半数が職場でのハラスメント被害、または目撃経験あり 

職場でのハラスメント被害について質問したところ「自分自身が被害に遭った」258人(27.3%)、「社内の人が被害に遭った」159人(16.8%)と合わせて44.1% の人が、職場でなんらかのハラスメント被害に遭ったり、被害を目撃した経験があると答えました。

 

2)パワハラ・モラハラ被害が多数

ハラスメント被害や目撃経験のある人にその内容について質問したところ、「上司や先輩からの立場を利用したいやがらせ(パワーハラスメント)」と回答した人が259人(26.3%)、「無視や暴言など精神的ないやがらせ(モラルハラスメント)」248人(25.2%)という結果に。以降は「性的ないやがらせ(セクシャルハラスメント)」102人(10.3%)、男らしさや女らしさの強要(ジェンダーハラスメント)53人(5.3%)と続き、「暴力を受けた」(男性・29歳)「不当な退職引き止めにあった」(女性・27歳)などの回答もありました。

 

3)「被害に遭っても何も対応しなかった」16.5%

「被害に遭った、または目撃したときに、どのように対応しましたか?」という質問への回答は「退職・転職を検討した」117人(28.1%)、「人事部など社内の該当部署に相談した」116人(27.8%)、「家族や友人に相談した」93人(22.3%)と続きました。一方で「被害に遭っても何もしなかった」と答えた人の割合も16.5%にのぼり、その理由として「自分自身があまり深刻に受け止めていないので」(女性・28歳)など、気にしないようにしているという意見の他、「社内で訴えると面倒なことになりそう。そのうち退職するので諦めます」(男性・31歳)といった声も。また「外部の専門機関に相談する」と回答した人はわずか3.1%にとどまっており、労働局の相談コーナーや、法務局の相談ダイヤルといった相談窓口の存在が、若い世代にまだ浸透していないとも見える結果となりました。

 

【総括】 ハラスメント問題一掃は、人材採用・定着の必須条件

職場のパワーハラスメント防止を目的とし、事業主に雇用管理上の措置を義務づける労働施策総合推進法「パワハラ防止法」が、2020年6月より順次施行されます。これに先立ち、厚生労働省はパワハラを6種に分類・定義するなどして、ハラスメント対策に乗り出しています。


また、「社内制度、副業、ハラスメント対策」の3点は、採用担当者の関心事でもあります。人材不足による採用難の影響から、企業は採用活動同様に社員定着率向上にも注力しており、社内制度の整備や副業解禁、ハラスメント行為の防止などが早急に対処すべき項目に挙がっているのです。一方で、求職者側からは「企業のハラスメント体質を事前に見抜きたい」という要望が寄せられています。クリーンで安全な労働環境の整備は、優秀な人材を確保するための必須条件です。

職場でハラスメント被害に遭っても何もしないという方も多いですが、声を上げることは自身だけでなく、周りの人を守ることにもつながります。被害に遭った、目撃した場合は、まずは社内外の第三者に相談してください。(株式会社MAP リクルーティングアドバイザー:渡邊 竜三)

  • 調査内容       キャリア面談事前アンケート
  • 調査対象  MAPグループ転職支援サービス登録者の20〜38歳
  • 有効回答数   982名(男性443名 女性539名)
  • 調査方法    面談時にアンケートフォームへの入力方式で実施(設問2は複数回答可)
  • 調査期間    2019年10月29日〜2020年2月6日

※本調査データを転載・引用する場合は(出典:株式会社MAP)の表記をお願いします。