「高卒は転職で不利」…こんな言葉をネット上で見たことがある、聞いたことがある…そんな人もいるかもしれません。
今回は、実際に高卒であることで転職が不利になるのかを考えてみました。
1.イメージから生まれる「不利」
厚生労働省によると、就職後3年以内に離職する人は、高卒者で約40%、大卒者で約32%という数字がデータとして出ています。(平成26年度)
新規学卒就職者の学歴別就職後3年以内離職率の推移厚生労働省
統計を取り始めた年から見ても、高卒者の離職率は大卒者に比較し、高い傾向にあります。高卒の方は、
- 待遇が大卒に比較し良くないことで、モチベーションが上がらない。
- 同世代の多くが進学を選び、悩みを共有できる人が身近にいない。
- 学校で推薦された企業に就職したものの、やりたいことが他にできた。
などの理由から、早期に離職してしまう人が比較的多くなっています。
このような傾向から、「高卒者=早期離職」のイメージを持っている人事担当者もおり「採用してもすぐに辞めてしまうのでは?」という発想に繋がりやすくなっています。
結果、いざ採用活動となった時に高卒者を見送りしてしまうケースが多いようです。
「高卒者=早期離職」…実際にはそんな人ばかりではないのですが、このイメージが先行して、高卒者が転職しにくい理由の1つを作り出しています。
2.条件面での「不利」
学歴を「大卒以上」とし、募集をしている企業も少なくありません。
その理由は、大卒以上の方が優秀な人が多い可能性が高いという発想に基づいています。
企業としては、学歴に関係なく自社に貢献してくれる人材を雇えるということが一番利益につながるはずなのですが、ある程度の見当をつけて効率よく選考を進めていくために大卒以上としている企業が多くあります。
ダメ元で企業に書類を送ったり個別に連絡するという方法もありますが、最初の入り口が開かれていないため、そこで諦めてしまう人も多いでしょう。
3.高卒でも、諦める必要はない!
このような不利になる条件が多いながらも、転職を成功させている高卒者がいることも確かです。
では何が重要になってくるかというと、スキルや経験の棚卸しなどが重要になってきます。
例えば、ほぼ同じ経歴・能力の大卒者が同じ選考にいた場合、高卒者は不利になってしまうという考えもあるかもしれませんが、実際にはそのようなことは稀です。
大卒者には負けないくらいの気持ちで、自分のスキルや経験の棚卸しをしておけば大丈夫です。
4.スキルや経験の棚卸しとは?
自己分析などを行い、今までの自分がしてきたことやできることを振り返りましょう。
また、それに基づき今後どうしていきたいか・志望企業にどのように貢献していけるかを明確にしておく必要があります。
「条件がいいから」「なんとなく」ではない、きちんとした志望理由とそれに見合ったスキルや経験を棚卸ししておきましょう。
そして、高卒の方が大卒者に比較し有利になる部分。
それは、社会人経験年数の差です。
実際に、4大卒の方より4年も早く社会に出て働いているということは大きなアドバンテージでもあります。
今から大卒検定を取るなどするよりは、今まで培ってきたスキルや社会人経験をアピールしていくことが近道となるでしょう。
5.他にできることは?
高卒者が転職しやすい業界というものがあるので、そういった業界を狙うのも一つの方法です。
また、わたしたちTOP GEARのように高卒を中心としたエージェントを利用し、効率よく選考を進めていくことも大きな鍵となります。
高卒者は、大学生と違い学校から手厚い就職へのサポートを十分に受けられていないため、書類の書き方や面接の対策などに慣れていない場合が多数です。
ぜひ利用し、有利に転職活動を進めていきましょう。
6.まとめ
高卒だからと転職を諦める必要はありません。
しかし、そこには前向きな退職理由や明確な意志が必要ということだけは念頭に置いてください。
単純に「仕事や人間関係が嫌だから」という理由で退職してしまうと、あとあと自分の中で「逃げの退職」という気持ちが残ってしまいます。
必ず、「(志望企業の仕事を)やってみたい」「楽しそうと感じた」など、一つでもいいので前向きな理由を見つけてみましょう。
実際に書類や面接では、その部分を膨らませて志望動機を作っていくので、ただただ「環境を変えたい」だけの転職になってしまうと選考でも苦戦したり、採用されたとしても仕事に興味が持てずまた転職…ということにもなりかねません。
みなさんにとって「ここなら頑張れそう」と思える場所が、見つかるといいですね。
また、気持ちが揺らいだ状態で退職してしまい、「前職の方がよかった」と後悔することがないようにしたいものです。
前向きに、かつ真剣に考えて転職を成功させましょう。不利だからと言って、無理なわけではありませんよ!
- 転職は、高卒者に不利なものである
- しかし、対策を十分することで成功させることは可能
- そのため、希望を捨てずに取り組もう
- ただし、前向きな転職理由や確固たる意志を持って転職しよう