履歴書の「志望動機」の欄、何を書けばいい?
今回の記事では、履歴書の中でも悩みどころである「志望動機」について、掘り下げていきたいと思います。
結論、「志望企業でこんな風に活躍したい(できる)と思っているから」と答えるのがベストです。
しかし心の中には、少なからずとも
- なんとなく面白そうだから
- 企業の名前を知っているから
- 条件がいいから
- 安定していそうだから
という気持ちもあるのではないでしょうか。
しかし、どれも履歴書に正直に書くには、ちょっと気が引けてしまいますね。
これらは企業に興味を持ったきっかけとしては良いのですが、志望動機として書くには適していません。
そこで今日は、なかなかうまく言語化できない「志望動機」を書くコツをお伝えします。
こちらの「履歴書の書き方」の記事と合わせて、ぜひご覧ください。
志望動機、「なぜ貴社なのか」が言えますか?
志望動機で大切なのは、「なぜその企業を選んだのか」という点です。
『業界』『競合他社』という言葉があるように、世の中には似たようなサービスやモノ作りをしている会社同士がひしめき合っています。
「なぜあなたは我が社に応募したのか?」
採用担当者はこの部分を知りたいと考えています。
それはなぜか。
あなたの企業そのものへの理解度・志望度を知りたいと思っているためです。
特定の業界に入りたいのであれば、同業他社でも良いはずです。
そこをなぜ、その企業でないといけなかったのか。きちんと履歴書の段階で説明する必要があります。
では、少し噛み砕いて考えてみましょう。
まず志望企業については、
- 求人を見る前から知っていた
- 求人を見るまで知らなかった
2つに1つ、必ずどちらかに当てはまるはずです。
(今回は、志望企業の営業職に応募すると仮定します。)
以下のような書き方をすることで、単に「条件」「ネームバリュー」に惹かれただけではないという印象を持ってもらうことができます。
志望企業を前から知っていた場合:
「元々貴社製品(サービス)を愛用し(知って)ており、その良さは十分に理解していた。営業になって多くの人に商品を届け、利便性を実感してもらいたいと考えるようになった」
志望企業を知らなかった場合:
「今回、求人を見て初めて貴社を知ったが、色々と調べていくうちに、チームの一員になり優れた製品を世の中に送り出す役割を果たしたいと思った」
このように、「前から知っていた」「知らなかった」どちらの場合でも、企業理念やチームの働きについて理解していることを述べる必要があります。
自分だけの、オリジナルの志望動機を伝えよう
掘り下げて志望動機を考えてみたはいいけど、どこかで見たような文章になってしまう。
志望動機が、テンプレのようになってしまうことはありませんか?
大丈夫です。
上記の志望動機は、まだ骨組みの段階。
ここから自分自身のエピソードと絡めて肉付けしていきましょう。
例えば、志望企業を元々知っていた場合で考えてみます。
もともと貴社が開発している商品のファンで、営業になって多くの人の手にこの商品を届けたいと考えるようになりました。
今回、志望するにあたり色々勉強させていただくうちに、商品だけではなく会社のあり方にも感銘を受け、ますます貴社の一員として働きたいという気持ちが強くなりました。
自分がこれまで積み重ねてきたコミュニケーション能力で、社内・社外問わず多くの人と円滑に連携を取り、真摯に接することで、貴社の拡大に貢献していきたいと考えています。
このように、実際に使ってみたなどのエピソードは非常に有効なので、志望企業が開発しているサービスやプロダクトは事前にしっかり理解しておきましょう。
一方で、実際にもしそのサービス・プロダクトのユーザーだとしたら、競合他社と比較し、なぜユーザーになったのかなども言えるようにしておかなくてはなりません。
そして、事前リサーチは大切ですが、ただのユーザーなら、入社してもらう必要はありません。
企業にとってはあなたにそのままお客様でいてもらうという選択肢もあります。
そこを下線部(黄色)のように、自分が働くことでどのように会社を良い方向へ導いていけるのかを伝えるようにしましょう。
面接は「好き」という気持ちをアピールする場ではなく、求職者と企業のすり合わせの場です。
「好き」の気持ちを一方的にぶつけるのでは、そもそもコミュニケーションが取れているとは言い難い状態です。
商品知識は入社してからでも付けられるので、高卒など若手の方は特に「どのポジションでどう頑張れるか」の部分にフォーカスしてみてください。
もちろん志望企業を知らなかった(今回、求人を見て初めて知った)場合でも同じです。
逆に応募がきっかけで知ったという方が、フラットな視点で企業をみることができるかもしれません。
しかし事前リサーチは必要。
競合やシェア率など、最低限の知識歯つけていきましょう。
そして事前リサーチは必要ですが、くれぐれも一方的なアピール・付け焼き刃にならないよう十分注意してください。
「条件だけ」ではない志望動機を伝えよう
転職する上で重要なのは条件面。
それはもちろんなのですが、それだけを志望の理由にすれば、当然書類審査は通過しません。
繰り返しになりますが、自分が働くことでどのように会社を良い方向へ導いていけるのか
を、書けるようにしましょう。
これは、志望企業を元から知っていた場合もそうでない場合も共通して言えることです。
では、志望企業を知らなかった場合で一つ志望動機を記載します。
今回求人を出されているのを見て、初めて貴社の存在を知りました。
●●に深く携わる貴社のビジネスを知るほどに、自分のこれまでの経験が活かせるのではと働きたい気持ちが強くなり、今回志望しました。
一つ一つの作業に正確性が求められる□□職で、△△での経験と、慎重な自分の性格を活かしミスなく成果を出し、貴社の成長に貢献していきたいと思います。
また、粘り強さを活かし結果を追求して、腰を据えて長く働きたいと考えています。
「条件がいいから志望した」ということにはあえて触れる必要はありません。
企業研究を行い、自己分析の結果やこれまでの職務経歴と絡めて志望動機を考えます。
自己分析とは、自身のこれまでの人生を振り返って、
- なぜ取り組もうと思ったのか
- なぜ頑張れたのか
- 課題に対しどう対処したか
- なぜ乗り越えられたのか
- そこから学んだことは何か
などを書き出し、自分の強みや弱み、傾向を知るための作業です。
こちらの記事で詳しく紹介しています。
職務経歴は、これまでの仕事の経験。
アルバイトの経験でも大丈夫です。
自分がどんな仕事を任され、成果を出してきたかを紙に書き出し、その経験を志望企業のポジションでどのように応用できるかを考えてみましょう。
このように、自己分析で自分の傾向を・職務経歴で実際の成果を把握し、
傾向+実際の成果=活躍の可能性を論理的に導き出す
という作業が必要になります。
やはり、自分が働くことでどのように会社を良い方向へ導いていけるのかは大切です。
逆に、給与や休日など条件がいいからということだけで志望している人は、仕事内容と自分の能力や、やりたいことにそもそものミスマッチがないかを確認しておく必要があります。
この部分にミスマッチがあると、いくら条件が良くても仕事が辛いものになってしまう可能性が高いです。
企業研究と同じくらい、自分のこともよく研究しておきましょう。
また、企業は基本的に、すぐ辞める人を正社員で採用しようとは思っていないので、もし履歴書の記入スペースがあればこの例文のように長く働けることも合わせて記載するのも良いです。
結婚・出産でライフスタイルが変わりやすい女性や、これまでの転職回数が多い方は特に押さえておきたい部分です。
履歴書の志望動機、迷ったらエージェントに相談しよう
志望動機は、その企業でどんな活躍をしたいか、どう活躍できるかをイメージさせるのがポイントです。
ただ「これをやりたいです!」「好きです!」ではなく「これができます、こんな風に役に立てます」ということです。
仕事の内容のできるできないではなく、コミュニケーション・丁寧な仕事など、働く上でのベースになることができるかどうかです。
特に高卒の若手求職者はスキルより情熱・やる気と言われ、ポテンシャル採用というものがあります。
ポテンシャル採用とは、即戦力でなくても、活躍の可能性を見込んで採用することを指します。
そのため、自分の何を活かしてどう活躍できるかを伝えることが、非常に重要なのです。
重要なのは押し売りにならずに自分を売り込むということ。
志望企業でどのように活躍できるかを、書類でも面接でもうまくプレゼンしましょう!
(※今回は書類を想定して『貴社』表現にしておりますが、面接の場合は『御社』を使いましょう。)
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