最終学歴が高卒の人の離職率ランキングと退職理由をご紹介します。
高卒の人がどんな業界で、どんな理由で辞めているのか気になりますよね?
この記事では、
- 業界別離職率ランキング
- 退職理由
- 今の若者は本当に根性がないのか?
- 高卒の離職率が高い理由は?
- 自分に合った会社に転職するためには?
などをご紹介します。
あなたに当てはまるものはありますか?
業界別離職率ランキング
厚生労働省が発表している「新規学卒者の離職状況」という調査を見てみると、高卒の業界別の離職率が分かります。
厚生労働省の調査結果をもとにランキングにしてみました。
※平成26年に高校を卒業して就職した人で、3年後の離職率が高い順に並べました。
- 宿泊業、飲食サービス業:64.4%
- 生活関連サービス業、娯楽業:59.4%
- 教育、学習支援業:56.0%
- 小売業:50.4%
- 建設業:47.7%
- 不動産業、物品賃貸業:47.0%
- 医療、福祉:46.9%
- サービス業(他に分類されないもの):45.7%
- 卸売業:42.5%
- 学術研究、専門・技術サービス業:40.3%
- 情報通信業:38.9%
- 運輸業、郵便業:35.6%
- 鉱業、採石業、砂利採取業:29.9%
- 製造業:28.9%
- 複合サービス事業:28.6%
- 金融・保険業:25.8%
- 電気・ガス・熱供給・水道業:8.1%
でした。
引用元「厚生労働省 新規学卒者の離職状況」
この結果を見てみると、上位の業界はサービス業が多かったです。
ホテルや旅館は長時間勤務で夜勤もありますが、給料がとても高いわけではありません。
飲食店もご存知の通り、激務なわりに給料は高くありません。
娯楽業は別名「アミューズメント系」ともいわれますが、長時間労働のわりに給料が高いわけではありません。
教育・学習支援業の代表は学習塾ですが、授業の準備が時間外で必要であったり、営業ノルマを課せられるところもあります。
建設業は、3Kとも呼ばれています。
「きつい、汚い、危険」の頭文字です。
最近では、新3Kという言葉も登場しています。
「きつい、厳しい、帰れない」「きつい、帰れない、給料が安い」などです。
離職率が高いのも納得です。
反対に離職率が低い業界は、インフラ系の電気・ガス・熱供給・水道業です。
いわゆる「〇〇電力」や「〇〇ガス」のような会社です。
インフラ業界は労働組合が強いため、従業員の労働条件が守られています。
転勤も少なく給料が安定しているので、離職率が低くなっていると考えられます。
企業規模別離職率ランキング
厚生労働省が発表している「新規学卒者の離職状況」の調査では、「新規高卒就職者の事業所規模別就職3年後の離職率」もわかります。
厚生労働省の調査結果をもとにランキングにしてみました。
※平成26年の調査結果を参考にしています。
- 5人未満:64.0%
- 5~29人:56.4%
- 30~99人:47.1%
- 100~499人:37.9%
- 500~999人:32.9%
- 1000人以上:25.3%
でした。
調査結果からわかる通り、従業員数が少なくなるほど離職率が高くなります。
企業の離職率を見るときの注意点
最近では、企業が自社サイトに離職率を載せているところもあります。
離職率を見る時の注意点として、
- どの期間での離職率なのか?
をしっかり確認してください。
就職して1年目での離職率なのか、3年目での離職率なのか、それだけで数字は変わりますよね?
ある年に入社した社員が1年間で辞める人数と、3年間で辞める人数では、当然3年間で辞める人数の方が多くなります。
企業は自社を良く見せるために、離職率が低くなる期間で勝手に離職率を出している場合があります。
どの期間で離職率を出そうと企業の自由なので、他の企業との比較が難しいです。
離職率の数字だけに惑わされず、どの期間での離職率なのかをしっかりと見ましょう。
ちなみに、企業の離職率を知りたい場合は企業の「有価証券報告書」を調べるとおおよその離職率が分かります。
企業は毎年有価証券報告書を公開していて、従業員数が明記されています。
例えば、3年間の離職率を調べたい場合は、
- 3年前の従業員数
- 3年間で入社した人数
- 最新の従業員数
の3つがあれば計算できます。
(3年前の従業員数+3年間で入社した人数-最新の従業員数)÷(3年前の従業員数+3年間で入社した人数)
で計算できるので、興味のある人はやってみてください(^^)
ただし、有価証券報告書を公開しているのは上場企業のみですので、中小企業の離職率は計算できません。
高卒の退職理由
労働政策研究・研修機構(JILPT)の資料に高卒の退職理由のデータがありますので、上位5位までをご紹介します。
3年未満での離職理由・男性
- 仕事が自分に合わない:33.2%
- 賃金の条件がよくなかった:28.1%
- 労働時間・休日・休暇の条件がよくなかった:27.5%
- 人間関係がよくなかった:26.9%
- 会社に将来性がない:19.0%
3年未満での離職理由・女性
- 人間関係がよくなかった:33.1%
- 労働時間・休日・休暇の条件がよくなかった:28.2%
- 仕事が自分に合わない:25.5%
- 賃金の条件がよくなかった:16.5%
- ノルマや責任が重すぎた:14.1%
1年未満での離職理由・男性
- 仕事が自分に合わない:40.2%
- 人間関係がよくなかった:31.5%
- 労働時間・休日・休暇の条件がよくなかった:26.0%
- 賃金の条件がよくなかった:22.8%
- 会社に将来性がない:15.0%
1年未満での離職理由・女性
- 人間関係がよくなかった:40.8%
- 仕事が自分に合わない:34.6%
- 労働時間・休日・休暇の条件がよくなかった:30.0%
- 賃金の条件がよくなかった:17.7%
- ノルマや責任が重すぎた:15.4%
退職理由からわかること
退職理由からわかることは、男性と女性では退職理由が変わるということです。
男性は「会社に将来性がない」が入っていて、女性は「ノルマや責任が重すぎた」が入っています。
また、1年未満でも3年未満でも退職理由の1位は男女とも同じでした。
つまり、男性は「仕事が自分に合わない」から辞める。
女性は「人間関係がよくなかった」から辞めるということが言えます。
あくまでも統計値ですが、男性は仕事内容を見極めてから就職・転職した方がよいでしょう。
女性の場合は、職場の雰囲気などをよく見てから就職・転職した方がよいでしょう。
仕事内容や職場の雰囲気を転職する前に知るには、企業情報を豊富に保有している転職エージェントに相談するとよいでしょう。
TOP GEARにご相談いただいても、もちろん、大丈夫です。
今の若者は本当に根性がないのか?
よく「最近の若者はすぐに仕事を辞める」「これだからゆとり世代は…」と大人たちが言っています。
しかし、本当に今の若者だけがすぐに仕事を辞めているのでしょうか?
厚生労働省の新規学卒者の離職状況の調査結果を見てみると、意外なことがわかりました。
新規高卒就職者の3年目までの離職率を平成15~26年までで比較してみました。
- 平成15年卒:49.3%
- 平成16年卒:49.5%
- 平成17年卒:47.9%
- 平成18年卒:44.4%
- 平成19年卒:40.4%
- 平成20年卒:37.6%
- 平成21年卒:35.7%
- 平成22年卒:39.2%
- 平成23年卒:39.6%
- 平成24年卒:40.0%
- 平成25年卒:40.9%
- 平成26年卒:40.8%
でした。
この結果からわかることは、今の若者だけが極端に離職率が高いわけではなく、現在30代の人たちも同じくらいの離職率であるということです。
「今の若者は根性がない」というわけではないことが分かります。
ちなみに、不景気時代だと離職率は下がる傾向にあるようです。
その証拠に、平成20年から23年までは離職率が30%台になっていますよね。
この時期は、アメリカの「サブプライムローン」や「リーマンショック」があった時代です。
日本も影響を受けたため、不景気の時代でした。
不景気だと企業は人材の採用を控えるため、職に就くのが困難になります。
そのため、離職を控える人が多かったのではないでしょうか?
高卒の離職率が高い理由
そもそも、なぜ高卒の離職率は高いのか?
あなたは「7・5・3現象」というものをご存知でしょうか?
就職して3年以内に中卒の7割、高卒の5割、大卒の3割が離職する現象のことを言います。
現在では、中卒6割、高卒4割、大卒3割ほどと減少しています。
なぜ大卒より高卒のほうが離職率が高くなるのか。
それは、就職活動方法の違いにあります。
高卒で就職する人は、高校から企業の紹介を受けますが、
- 自己分析なし
- 企業研究なし
- 企業の選択肢なし
のため、かなりギャンブル性の高い就職になります。
自分の適職も分からず、自分に合う企業も分からず、高校からは一社だけしか紹介されません。
社会人経験のない高校生が長く働ける会社に出会える可能性はとても低いです。
そのため、高卒の離職率は大卒より高くなります。
ちなみに大卒の人は、
- 自己分析をする
- 企業研究をする
- 何十社も採用試験を受ける
のが普通です。
大学にはキャリアセンターという就活の相談窓口があるので、就活のサポート体制も万全です。
もし、高卒で短期退職をするとどうなるか。
- フリーターになる
- より条件の良い企業への転職を目指す
の2つの進路を選ぶ人が多いです。
②の「より条件の良い企業への転職を目指す」人は、現実的には理想の企業に転職するのはとても難しいです。
短期退職した人をほしがる企業は少ないからです。
そうなると、より条件の悪い企業やブラック企業にしか転職できないことが多いです。
そして、転職を繰り返すという負のスパイラルに入ってしまいます。
自分に合った会社に転職するには?
上記に書いたような、転職を繰り返す負のスパイラルを断ち切る方法は、
- 自己分析をする
- 企業研究をする
- 複数の企業の採用試験を受ける
ことです。
自己分析ができれば自分の適職が分かりますし、企業研究をすれば興味のある業界や自分に合っていそうな業界がわかります。
複数の企業の採用試験を受けると、本当に自分に合った企業と出会える可能性が高くなります。
ここで大切なのは、「一人で転職活動をやらないこと」です。
一人で転職活動をすることのリスクは、
- あなたは転職のプロではない(プロになってはいけない)
- 客観的な視点がない(客観的な自己分析ができない)
- 自分で集められる企業情報は少ない
の3つです。
③の「自分で集められる企業情報は少ない」ですが、自分で企業情報を集める方法には、
- ネットの求人サイト
- 求人誌
- ハローワーク
- 縁故募集(知り合いの紹介)
などがあります。
求人サイトと求人誌は参考にはなりますが、良いことしか書いていないため、どうしても分からない情報があります。
ハローワークは、求人票以上の情報はわかりません。
会社の雰囲気など細かい情報は求人票には書かれていません。
縁故募集はトラブルが多いことを知っていますか?
- 「知り合いの会社だからきっと良い会社だろう」と深く調べない
- 知り合いの会社のため、入社前に色々と聞きにくい
- 知り合いの会社のため、すべてがなあなあになってしまいがち
- 知り合いの会社だからといって合う会社とは限らない
- 知り合いから紹介されたので、辞めたい時に言いづらい
- 辞めると後味が悪い(知り合いと顔を合わせづらくなる)
など、デメリットが結構あります。
縁故募集を考えている人は、慎重に検討しましょう。
自分に合った企業に転職するには、高卒者専門の転職エージェントを活用するのがおすすめです。
転職エージェントであれば、
- 自己分析のサポート
- 企業研究のサポート
- 大量の企業情報の中からあなたに合う企業をピックアップしてくれる
というメリットがあります。
一人で転職活動をするよりは、失敗が少なくなります。
当社にご相談いただいてもけっこうです。
まとめ
いかがでしたか?
- 業界別離職率ランキング
- 退職理由
- 今の若者は本当に根性がないのか?
- 高卒の離職率が高い理由は?
- 自分に合った会社に転職するためには?
などをご紹介してきました。
あなたに当てはまる内容はありましたか?
離職率が高くなる原因は、ミスマッチが起きているからです。
ミスマッチは、労働者にも企業にもメリットがありません。
ミスマッチを起こさないためには、自己分析をして、企業研究をしっかりと行うことが大切です。
あなたの就職・転職活動の参考になれば嬉しいです(^^)