東京五輪や新型コロナウイルスの影響で、今年に入り急速に「テレワーク(在宅勤務)」に注目が集まっています。
これを書いている私自身も、在宅勤務をしています。
今回は私自身の体験も交えて、「テレワーク」や「リモートワーク」と呼ばれている勤務形態について、意味の違いや注意点などを記載していきます。
テレワークとリモートワークの違い
まず、「テレワーク」とは「tele = 離れた所」と「work =働く」をあわせた造語です。
日本テレワーク協会は、以下の3つのうちのいずれかで仕事を進めることをテレワークと定義づけています。
- 在宅勤務(自宅での勤務)
- モバイルワーク(顧客先や移動中にモバイルを使用)
- サテライトオフィス勤務(勤務先以外のオフィススペースの活用)
中でも今年に入って特に注目されているのは、移動を伴わない①の在宅勤務です。
今回のような環境起因のケースはもちろん、社員自身が(怪我や障がいなどで)出社できない場合も、テレワークを導入することで、変わらずに仕事を続けることができます。
テレワークにより、時間や場所にとらわれないフレキシブルな働き方が実現するのです。
テレワークとは一般社団法人 日本テレワーク協会
では、「リモートワーク」と「テレワーク」の違いはなんなのでしょうか?
「リモートワーク」は「remote=離れた」と「work=働く」を組み合わせた造語です。
これだけ見ると、テレワークとリモートワークは同じことにも思えます。
しかし、テレワークは明確に3つの定義づけがあるのに対し、リモートワークにはそれがありません。
遠隔勤務の総称がリモートワーク、というイメージです。
極論を言えば、カフェで仕事をするというのも、リモートワークになります。(コンプライアンスや、セキュリティ上の問題から、おすすめはしません。後述します。)
まずは、テレワーク≒リモートワークという認識で、問題ありません。
今回は、テレワークの①在宅勤務にフォーカスして、色々とご紹介していきます。
テレワーク(在宅勤務)に必要なものは何?
テレワーク(在宅勤務)には、必要なものがあります。
- PC(カメラ付き)
- インターネット接続環境
- 携帯電話
まずはこの3つがあれば、すぐにテレワーク(在宅勤務)を始められます。
PC(カメラ付き)
デスクトップでもノート型でも構いません。
画面の大きさが13インチ以上であれば、ある程度の作業は問題なくできます。
会社支給のものであれば問題ないですが、プライベートで利用しているPCをやむなく利用する場合は、アカウントを分けて利用しましょう。
また、ビデオ会議のためにカメラは必須です。
本体にカメラがない場合でも、USB対応などの外付けのカメラも販売されているので大丈夫です。
インターネット接続環境
インターネットの接続環境は必須です。
自宅に回線がない場合でも、ポケットWi-Fiなどを契約すればすぐに使えます。
また、公共の場や店舗のフリーWiFiなどで、暗号化されていないWi-Fiは仕事では使わないようにしましょう。
これらはすぐ接続できて便利な一方、暗号化されていないため、アクセス者の利用内容を、同じフリーWi-Fiに接続している第三者が簡単に取得できるのです。
つまり、暗号化されていないWi-Fiに接続している場合、悪意あるアクセスにより機密情報やパスワードを抜き取られてしまう可能性があるのです。
また、前述の通りカフェなど不特定多数の人が行き交う中での作業は基本的に避けるべきです。
Wi-Fiの問題はもちろん、PCの画面が丸見えで、何をしているか筒抜けです。
機密情報を含む重要な電話も、誰がどこで聞いているかわかりません。
いかなる場合でも、コンプライアンスは遵守すべき事項です。
勤怠管理のシステムも、オンラインタイムカードなのか、Excelシート記述なのか決めておきましょう。
また、Slackなどのチャットツールも必須。
テレワーク(在宅勤務)では、社員同士のコミュニケーションが希薄になりがちです。
今どんな作業をしているのか、いつまでに何ができるのか、チャットツールで進捗報告をこまめに行いましょう。
携帯電話
連絡手段として携帯電話は必ず、必要です。
スマートフォンである必要はありませんが、可能であればスマートフォンが好ましいです。
理由は、携帯端末からでもチャットやクラウドにアクセスできるため。
なんらかの理由でPCが使えない場合でも、ちょっとした作業ならスマートフォンからできる可能性があります。
ただ、画面が小さいので無理せずに。
万が一の場合は電話をして、引継ぎを行いましょう。
というわけで、携帯電話も必ず持っておくべきツールです。
テレワーク(在宅勤務)の注意点は?
テレワーク(在宅勤務)の注意点は多くあります。
多くの人が、テレワーク(在宅勤務)のことを「ラクして仕事をできる」「社員がさぼるのではないか」というイメージを持っていますが、それは大きな間違いです。
テレワーク(在宅勤務)は楽をするためのものではない
テレワーク(在宅勤務)は、確かに、通勤時間がかからないなどのメリットがあります。
そういう意味では、楽なのかもしれません。
しかし、テレワーク(在宅勤務)そのものを楽なものだと考えるのは、大きな間違いです。
自宅にいても、勤務時間は勤務時間。
きちんと自分の業務を遂行しなければなりません。
テレワーク(在宅勤務)では、個人のセルフマネジメント(自己管理)能力によって、アウトプットやパフォーマンスがかなり違ってきます。
また、多くの人がテレワーク(在宅勤務)中に家事を並行できると考えていますが、これも間違いです。
もちろん自宅にいればお昼休みにお皿を洗ったりなどのちょっとした家事はできるかもしれませんが、基本的に日中は勤務時間です。
そのため、勤務時間中に買い物に出たり、保育園の迎えに出たりなどは基本的にできません。
もちろん会社規定による部分はありますが、勤務時間とそうでない時間を混同してしまわないよう、従業員は自覚を持ち、雇用者は相応のマネジメントをする必要があります。(出社時と同様のKPIを設ける、チャットで進捗をこまめに共有するなど)
テレワーク(在宅勤務)は、雇用者と従業員の信頼関係が重要
自社でもテレワーク(在宅勤務)を導入したいけど、社員がさぼるのではないか?
そういった言葉も、時々耳にします。
しかし、雇用者の皆さんは、隠れて仕事をさぼるような人を、そもそも採用するのでしょうか。
きっと、答えはノーだと思います。
隠れて仕事をさぼるような勤務態度であれば、出社していても仕事への意識は普段から高くないでしょう。
テレワーク(在宅勤務)に大切なのは、雇用者が従業員を信頼することです。
そして、テレワーク(在宅勤務)をする従業員も、その信頼に応えて、全力で仕事に取り組むべきです。
チャットやビデオ会議で見える化をしても、どうしても見えない部分があるのがテレワーク(在宅勤務)。
お互いの信頼関係がないと、どうしても疑心暗鬼になってしまいます。
そこを信頼関係で乗り越えるのが、テレワーク(在宅勤務)のベストな在り方なのではないでしょうか。
私自身、テレワーク(在宅勤務)という新しい働き方が普及するかしないかは、とてもシンプルな「信頼」という関係性に委ねられていると感じることがあります。
テレワーク(在宅勤務)のちょっとしたコツ
ここからは、実際に私自身がテレワークで効果があると実感したコツをいくつか記載していきます。
オンとオフをはっきりさせる
どうしても今日中に終わらせたい仕事がある…。
そんな時、テレワーク(在宅勤務)だとつい延々と仕事をしてしまうことがあります。
オンラインタイムカードを打刻しても、そのままキーボードをカタカタ…。
これではメリハリがありません。
そこで、テレワーク(在宅勤務)だからこそ、オンとオフをはっきりさせましょう。
残業する予定があるなら「◎時まで作業します」と申し出て、その時間までしっかり作業する。
タイムカードを打刻したら、今日の仕事はここまで。
そんな風に気持ちの切り替えをはっきりさせましょう。
限られた時間で成果を出すコツは、出社でもテレワーク(在宅勤務)でも同じかもしれません。
安価or高価な紅茶やコーヒーを用意する
これは少し余談になります。
オフィスではペットボトルやタンブラー、缶飲料などが主ですが、自宅であれば淹れたての紅茶やコーヒーをすぐに用意できます。
ゆっくり淹れたちょっと高価なコーヒーをお供に勤務開始…というのも良いです。
反対に、安価な紅茶(ティーバッグ50個入り200円など)も使い勝手が良いです。
コストパフォーマンスが良い飲み物は、集中したい時に何も気にせずどんどん飲めるので重宝します。
紅茶やコーヒーなどがお好きな方は、ぜひ試してみてください。
タスク・スケジュール管理を仲間と行う
オンラインのカレンダーなど、タスク管理ツールを仲間と共有するのもおすすめ(必須)です。
共有カレンダーがあれば、自分やメンバーのタスク・予定をリアルタイムですぐに把握できます。
ちょっと電話で聞きたいことがあるけど、相手は会議中かもしれない…そんな時に共有カレンダーがあれば、即確認できますね。
自分のタスク管理としても、相手への共有手段としても有効です。
オンラインカレンダーはぜひ使ってみましょう。
タスク管理にメモや付箋を使うのも一見良さそうですが、メンバーに可視化されにくいことはもちろん、そのまま自宅のゴミ箱へ捨てるのはコンプライアンス的によくありません。
自宅にシュレッダーがあれば話は別ですが、手間やそもそもテレワーク(在宅勤務)をしているということを考えると、オンラインのツールに慣れておくのが良いでしょう。
テレワーク(在宅勤務)・まとめ
テレワーク(在宅勤務)を導入したいけど、やってみたいけど、なかなか踏み切れない…。
この記事が、少しでもそんな方達の参考になれば幸いです。
お互いの信頼関係を大切に、雇用者・従業員のみなさんがイキイキと働ける、そんな社会になるよう願っています。